
九州運輸局の原田修吾局長
「観光×交通、そして地域活性化へ」をテーマにしたシンポジウム「2024年度 公共交通シンポジウムin九州」(九州運輸局主催)が2月26日、西鉄イン福岡(福岡市)で開催され、会場には約100人、オンラインで約300人が参加した。観光需要が回復傾向にある中、地域活性化に向けて観光と交通の連携の重要性について議論が交わされた。
開会あいさつした九州運輸局の原田修吾局長=写真=は、人口減少による赤字路線の増加や運転士不足などの課題に触れた。その上で、地域に適した交通体制の整備やライドシェアの拡充、インバウンド対策を強化する「積極的な事業」としての公共交通の重要性を訴えた。
基調講演では、東京都立大学都市環境学部の清水哲夫教授が「我が国の観光の現状から必要な交通政策を考える」と題して講演。インバウンドの消費単価は目標を達成しているものの、ドルベースでは伸び悩んでいる現状や、インバウンド客の周遊パターンが一部地域に集中している点などを指摘。その上で、「良い観光地域づくりには、良い地域交通づくりが不可欠」と強調した。
続く事例紹介では、九州MaaS協議会の木下貴友事務局長が、交通サービスを連携させる「MaaS(モビリティ・アズ・ア・サービス)」の取り組みを紹介。JR九州と西鉄などの大手交通事業者が連携協定を結び、地域交通の共創に取り組んでいる事例などを紹介した。
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