観光客の動向を詳細に可視化、沖縄観光コンベンションビューローが「おきなわ観光地域カルテ」をバージョンアップ


市町村別の宿泊者数や滞在時間帯のオープンデータ化は日本初

一般財団法人沖縄観光コンベンションビューロー(OCVB)は2025年3月19日、観光マーケティングレポート「おきなわ観光地域カルテ」のバージョンアップを実施したと発表した。今回のアップデートでは、これまで把握が困難だった市町村別の宿泊者数やスポット別の滞在時間帯の可視化を実現している。

「おきなわ観光地域カルテ」は、ブログウォッチャー社が提供するデジタル観光人流モニタリングサービス「おでかけウォッチャー」のデータを活用し、沖縄県内の観光客の動向を市町村別に分かりやすく可視化した観光マーケティングレポートだ。今回のバージョンアップにより、「宿泊」と「時間帯」のデータが新たに追加され、全7つの切り口で地域のデータを可視化できるようになった。

バージョンアップの主な内容は、宿泊分析と時間帯分析の2つの分析軸の追加、およびオープンデータ化の範囲拡張だ。宿泊分析では、人流データによる夜間滞在者数を活用して宿泊者数を可視化している。これにより、市町村別の宿泊者数だけでなく、「来訪者が宿泊した市町村」や「宿泊者が来訪したスポット」なども把握できるようになった。

例えば、「本部町を訪れている人が、どの市町村に宿泊しているのか」や、「恩納村に宿泊している人が、どのスポットを訪れているのか」といった傾向を確認できる。これらの情報は、宿泊者数の増加を目指した施策検討や、市町村間の連携強化などに活用できると期待されている。

時間帯分析では、1時間単位で滞在中に位置情報が記録された人数をカウントし、市町村単位およびスポット単位で公開している。これにより、来訪者の滞在時間帯を把握することができ、混雑の分散や空白時間帯へのコンテンツ強化、モデルルートの開発などに役立てることができる。

また、宿泊あり/なしのフィルタ機能を活用することで、宿泊者と日帰り来訪者との行動の違いを比較・分析することも可能となった。

オープンデータ化の範囲拡張については、これまで上位20位までのスポット名のみを公開していたが、今回のバージョンアップにより、登録されているすべてのスポット情報を公開するようになった。これにより、上位にランクインしていないスポットの状況も幅広く確認できるようになった。さらに、情報量の増加に対応するため、スポット検索機能も新たに搭載された。

OCVBの下地芳郎会長は、「本取組は、日本で初めて、人流データを活用した宿泊や時間帯のオープンデータ化を実現するものであり、『誰もが・無料で・いつでもデータにアクセスできる』環境を整えることで、各地域がデータを基にした観光戦略を立案しやすくなることを期待しています」とコメントしている。

下地会長はまた、「持続可能な観光地づくりの実現には、データを活用した戦略的なアプローチが不可欠です。今回のバージョンアップは、その第一歩であり、今後もデータを共通言語とした観光地経営の推進を図ってまいります」と述べ、データ活用の重要性を強調した。

「おきなわ観光地域カルテ」は、県内観光協会・地域DMOなど観光地域づくりに関わるすべての人を対象としており、月初(5日頃)に前々月のデータを更新している。ダッシュボード形式で提供されており、誰でも無料でアクセスできる。

 
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