
白川村は観光客数の増加や物価高騰などで村営駐車場値上げに踏み切る(白川郷)
岐阜県白川村は3日、三つの村営駐車場の利用料金を10月1日から引き上げると発表した。観光客数の増加や物価高騰により、駐車場の維持管理費が増大していることを受けた措置で、観光振興課はオーバーツーリズム対策も視野に入れているという。
3月6日に開会された村議会定例会で条例を改正。せせらぎ公園小呂駐車場、みだしま農村公園駐車場、寺尾駐車場について、利用料金を大型自動車・マイクロバスは1万円(改正前3千円)、普通・軽自動車2千円(同千円)、2輪車・原動機付き自転車500円(同200円)にする。
同課によると、物価・人件費の高騰、豪雪地域における冬季観光の受け入れ環境整備、観光客数の増加などにより、村営駐車場の維持管理にかかる経費が増大。加えて、オーバーツーリズムで幹線道路における渋滞や世界遺産(白川郷)集落内での混雑が深刻化し、「現在の料金設定ではこれら課題に対処することが困難」と判断、値上げに踏み切る。
値上げを通じて、維持管理費の増加対策と観光客の分散、混雑緩和を図る。また、値上げにより冬季の除雪作業や駐車場の大規模修繕、警備員や清掃員などの人件費を含む維持管理の上昇分を料金へ反映させる。
さらに、2025年度から繁忙期や冬季における特別料金(割増料金)の導入を検討する。具体的にはゴールデンウイーク、お盆休み期間、シルバーウイーク、10月下旬から11月上旬の紅葉シーズン、年末年始を想定。6月をめどに決定、公表する方針だ。
白川村は観光客数の増加や物価高騰などで村営駐車場値上げに踏み切る(白川郷)