観光庁は、ユニバーサルツーリズムを普及・促進しようと事例集を作成した。山形県・天童温泉、三重県・伊勢志摩の2地域で実施したモデルツアーを通じて、どのように商品造成したらよいのか、どのような点に配慮する必要があるのかなど、旅行業者の目線におけるポイントをまとめている。
天童温泉は2021年度から、DMC天童温泉を中心に、観光庁の高付加価値化事業などを活用し、関係者が一体となって地域のユニバーサルデザイン化を推進してきた。10月に1泊2日で行われたモデルツアーには、車いす利用者や杖を利用する高齢者など4人が参加した。
事例集では、参加者が天童市内の美術館や果樹園、飲食店などを訪れ、旅館に滞在した様子が紹介されている。関係者は事前に現地を下見し、移動しやすいコース設計を心掛け、要望を受けてきざみ食の対応も各施設に依頼したという。
伊勢志摩地域は、02年に日本で初めてバリアフリーツアーセンターを開設するなど、全国でも有数のユニバーサルツーリズムの先進地域として知られる。県が「日本一のバリアフリー観光県推進宣言」を表明し、三重県バリアフリー観光ガイド「みえバリ」も発行している。
会員向け記事です。