観光庁はこのほど、魅力ある観光地づくりのモデルとなる取り組みを支援する地域観光イノベーション促進事業で補助金の交付先として4件を選定した。レンタル自転車とバスを組み合わせた2次交通の整備、複数の観光施設が利用できる共通利用券の導入などの取り組みを支援する。
岩手県北上市では、レンタル自転車の提供と自転車を収容できるラックの付いたバスの運行で2次交通を整備し、回遊性の高い観光につなげる事業を実施する。事業主体はNPO法人のきたかみ観光ネクスト。
愛媛県松山市の道後温泉エリアでは、複数の観光施設に共通利用券を導入する事業を実施する。利用実績や利用者の評価に応じて個々の施設に利益が配分されるようにし、サービスの向上を促す。
長野県上田市の鹿教湯温泉では、旅館協同組合が観光情報の提供の円滑化に向けて、ウェブ上に展開する滞在プログラムの情報の標準化やデータベース化などに取り組む。石川県金沢市では、レンタル自転車用のICカードにまちの店舗で使えるポイント制度を導入し、観光の回遊性を確保する。
支援事業の公募には61件の応募があった。支援案件は、学識経験者らでつくる第三者委員会の審査をもとに決定した。1件当たりの補助金の交付額は約300万円。