観光庁は12月18日、2009年7月の北海道・トムラウシ山でのツアー登山の遭難死亡事故に続き、12年11月に中国・万里の長城付近でのツアー登山でも遭難死亡事故を起こした旅行会社、アミューズトラベル（東京都千代田区）への国の対応の問題点などを検証し、最終報告をまとめた。指導、監督のあり方に課題があったとして、立ち入り検査の強化、処分基準の見直しなどの改善策を示した。
同庁は事故の再発を防止できなかった点を課題として、トムラウシ山での事故後の国の対応について、長官をチーム長とする検証チームを庁内に設置。当時の観光庁の幹部や担当者にヒアリングを行うなど指導・監督態勢を検証した。
最終報告では、観光庁の対応について指導・改善事項の遵守をチェックする検査、処分後のフォローが不十分だったと認めた上で、改善策として(1)立入検査は速やかに、かつ頻度を高めて対応し、検査方針を明確化する(2)ツアー登山運行のガイドラインの見直し、旅行業法に関する処分の基準の見直しを行う(3)重大事案については処分後の立入検査に関する方針を明確にし、継続的かつ頻度を高めて計画的に行う—などを挙げた。
アミューズ社を登録取消処分に 観光庁
観光庁は12月19日、中国・万里の長城付近でのツアー登山で遭難死亡事故を起こしたアミューズトラベル（東京都千代田区）を旅行業法違反により旅行業登録の取消処分にした。
同庁によると、12年10月28日〜11月5日までの日程で催行した万里の長城付近への募集型企画旅行で、旅行の安全確保、円滑な実施に関する措置などに旅行業法違反が認められた。
