観光庁は6、7日、国内旅行の需要喚起事業「Go Toトラベルキャンペーン」に参加している宿泊施設を対象に、新型コロナウイルスの感染拡大防止策の実施状況を調査した。地方運輸局の職員などが全国の54施設を訪問。旅行者への検温、浴場や飲食スペースの3密対策は大半の施設で実施されていたが、旅行者への「新しい旅のエチケット」などの周知が不十分などとして、12施設には改善を指導した。
指導した項目で多かったのは、「新しい旅のエチケット」の実施、検温や本人確認への協力など、「Go Toトラベルを利用される方が順守すべき事項」に関する旅行者への周知不足。7施設に対して、施設内での掲示や旅行者への紙の配布などの改善を指導した。
この他の指導項目は、エレベーターの人数制限が未実施▽夕食時のレストランの座席間隔が不十分▽チェックイン時の列の密集対策が不十分―などで、3密を回避するための改善などを求めた。
また、第2弾の調査として、19、20日には全国の中小規模の宿泊施設を中心に個別訪問を実施した。
観光庁は調査を通じて感染拡大防止策の好事例も収集し、公表した。
好事例の主な内容は次の通り。
フロント=入館後、部屋に直行し、部屋でチェックインできる特別客室を設定
レストラン=食事会場で客がマスクを外した際、マスクを包むための紙を用意▽スマートフォンでQRコードを読み込む手法でメニューを表示
館内設備=エレベーターのボタンに触れなくていいように、ボタンを押すための使い捨て綿棒を用意▽大浴場の入浴人数を各部屋のテレビでリアルタイムに提供
発熱者対応=発熱者があった場合、保健所と連携をとりながら、他の客室、別の階の部屋へ案内する。また、スタッフが部屋に入室する際には防護服とマスクを着用するとともに、食事も弁当で対応