観光庁は、東日本大震災からの東北観光の復興に向け、岩手県、宮城県、福島県の魅力的な観光資源を選定する事業「東北3県の見るもの・食べもの・買いもの100選(仮称)」を実施する。今年度中に分野ごとに観光資源をピックアップし、合計で100件を選定。国内外に紹介して東北の観光需要の拡大につなげる。他にも東北への送客を後押しする事業を予定している。
官民の観光関係者が出席し、2日に仙台市で開かれた東北観光復興加速化会議で事業計画が紹介された。東北観光の復興について観光庁の久保成人長官は、19日の専門紙向け会見で「具体的に東北に足を運んでもらえる事業を進める。情報発信の強化などに重ねて取り組んでいく」と述べた。
100選の事業では、風景、祭り、地酒、観光施設などの分野ごとに観光資源を選定する。売り出したい観光資源を自治体や観光協会にピックアップしてもらい、一般消費者の意向も反映されるように投票などを行って選定したい考え。国内はもとより、日本政府観光局(JNTO)を通じて海外にもPRしていく。
東北の観光復興に向けて今年度中に実施する事業としては、「送客1千人プロジェクト(仮称)」や昨年度に引き続いて実施する「大人の教育旅行in東北」も計画。送客1千人プロジェクトは、ボランティアなどの復興支援に参加した人々にもう一度現地を訪れてもらう。被災地域の自治体などが開催する感謝を伝えるイベントなどと連携して実施する。大人の教育旅行の第2弾では、復興の様子を学ぶツアーなどを支援する。
いずれの事業も詳細は今後決定する。