観光庁、第1種旅行業登録者対象に弁済保証業務保証金制度見直し


 観光庁は、旅行業者「てるみくらぶ」が多額の旅行申し込みを受けたまま経営破綻した問題の再発防止策として、第1種旅行業者を対象に弁済業務保証金制度を見直す。現行の分担金に加え、海外募集型企画旅行の取扱高などに応じて分担金を積み増す方向で詳細を検討する。旅行業法の省令を改正し、来年4月に施行する予定。同時に、旅行業の経営状況を把握、監督する施策も強化する。

 有識者会議「経営ガバナンスワーキンググループ」(座長・山内弘隆一橋大学大学院商学研究科教授)を設置して検討していた。同会議がこのほど最終報告をまとめたことから、具体的な制度改正に乗り出す。

 弁済業務保証金制度では、旅行者の負債が大きくなるのは海外募集型企画旅行の場合が多いことから、その取扱高を基準に分担金を積み増す。総取扱高が同じ旅行会社でも、海外募集型企画旅行の取扱高によっては分担金が異なる。海外募集型企画旅行の取扱高が小規模な事業者の場合、現行のままでも弁済が見込まれるとして、積み増しは生じない見通しだ。

 観光庁は、弁済制度の拡充だけでなく、旅行業の経営の健全性を確保する施策を通じて、利用客への多額の負債を抱えて倒産するような事案の防止に努めたい考え。省令改正などを経て、海外募集型企画旅行を取り扱う第1種旅行業者を対象に経営状況の把握の強化、業界内通報窓口の設置などの新たな仕組みを来年4月から導入する。

 経営状況の把握では、旅行業者は5年ごとの登録更新時に経営状況を示す書類を提出しているが、決算申告書、納税証明書などを毎年提出させるよう改める。更新時には、提出書類と総勘定元帳などを公認会計士などが照合した旨を示す書類の添付も義務付ける。

 経営悪化などの情報を早期につかむため、弁護士などが参加する第三者機関に通報窓口を設置し、企業内部、他の企業からの通報を受け付ける制度を創設する。通報に応じて同機関が任意で調査を行い、旅行業法に関わる場合は観光庁が報告徴収などに乗り出す。

 また、日本旅行業協会、全国旅行業協会には、前受け金などに関する業界の指針として「経営ガバナンスガイドライン」を年内に整備するように要請。具体的には、旅行催行の60日より前に前受け金を20%以上受け取る場合、その使途を具体的に広告に記載することなどを求める。 

 
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