
観光庁と国土交通省港湾局は、能登半島地震で大きな被害を受けた和倉温泉(石川県)の復興に向けて、「護岸復旧と一体となった和倉温泉の地域観光再生支援プラン」を策定した。能登半島の観光拠点である和倉温泉の復興を後押しするため、旅館の営業再開に関する情報や、護岸の復旧工事の進捗、観光再生に向けた取り組みなどを国の支援策とともに継続的に発信していく。
プランに掲げられ今後の取り組み、目標は次の通り。
1.旅館の再開目標
被災直後は21旅館(護岸に接していない旅館も含んでいる。)全てが休業を余儀なくされていたが、令和6年度中に4旅館で一般客受け入れの営業を再開している。現在も、環境省や七尾市の支援により被災した旅館の解体工事を進めるとともに、経済産業省の支援により旅館の復旧工事が進められているところである。
また、海側に工事用仮設道路を整備することにより、海側から護岸の復旧工事を行うことで、旅館の工事も並行して進めることができることに加え、護岸の復旧工事中であっても、旅館営業を一部再開することが可能となっている。護岸復旧工事は令和8年度中の可能な限り早期の工事完了を目指して進められているところであるが、現時点で、令和7年度には4旅館が一般客受け入れの営業再開を予定しているところであり、令和8年度にも、5旅館の営業再開を予定しているところである。護岸復旧工事との調整を図りながら、円滑かつ着実に復旧工事、営業再開を進めていく必要がある。
2.護岸復旧
令和6年9月にとりまとめられた「護岸復旧方針」をもとに、民有護岸の公有化の手続きは12 月に完了し、市に公有化した区間は国が一体的に施工することとし、同年12 月20日には、護岸の本復旧に全面着工した。今後は、国の代行復旧等を進め、旅館の営業再開予定等を踏まえつつ、令和8年度中の可能な限り早期の工事完了を目指す。
3.観光関連分野の支援策
和倉温泉のまちづくり推進協議会では、観光再生のために危機管理に係る計画の策定や避難機能の確保、多地域との連携などによる新たな観光コンテンツの創出、地域の食文化の観光資源としての活用などが考えられ、和倉温泉創造的復興プランの中にも盛り込まれている。
観光関連分野では、能登半島地震からの復興に向けて、令和6年度補正予算を活用し、各地域の自治体、関係団体や個別事業者が一体となった復旧・復興計画の作成、復旧後の誘客促進を図るためのコンテンツ造成、情報発信等の支援を実施する。和倉温泉についても、創造的復興プランの実現に向け、地域一体となった取り組みのさらなる具体化について、必要な支援を行っていく。