国土交通省の7月1日付の幹部人事が発表された。観光庁では髙橋一郎長官が退任し、後任に内閣官房内閣審議官の秡川直也氏が就任する。
新しい長官に就任する秡川氏は、観光庁審議官、内閣官房特定複合観光施設区域整備推進室審議官、観光庁次長などを務めた経歴を持つ。インバウンドの地方誘客の拡大、オーバーツーリズムの未然防止・抑制、観光産業の人手不足解消など山積する課題への対応が期待される。
退任する髙橋長官は、23年7月4日の就任で在任期間は約1年間。コロナ禍からの訪日外国人旅行者数の回復や地方における観光コンテンツの造成支援、高付加価値なインバウンド観光地づくりのモデル事業などを推し進めた。
観光庁では長官のほか、審議官以外の幹部3人が替わる。加藤進次長の後任に、平嶋隆司国交省鉄道局次長が就く。星野光明国際観光部長の後任には中野岳史復興庁福島復興局次長、中村広樹観光地域振興部長の後任には長﨑敏志内閣官房内閣審議官・内閣官房国際博覧会推進本部事務局次長が就任する。
秡川直也氏(はらいかわ・なおや) 1988年4月運輸省(現・国土交通省)入省。2020年7月自動車局長、22年6月観光庁次長、23年7月内閣官房内閣審議官(内閣官房副長官補付)・デジタル田園都市国家構想実現会議事務局次長。東大法卒。神奈川県出身。59歳。
秡川直也氏