国土交通省は6月27日、幹部人事を発表した。7月4日発令の観光庁長官人事では、和田浩一長官が退任し、髙橋一郎国交省海事局長が就任する。髙橋氏は、観光庁次長などを務めた経歴を持ち、2008年10月に発足した観光庁の9人目の長官となる。
長官に就任する髙橋氏には、新たな観光立国推進基本計画に掲げられた「持続可能な形での観光立国の復活」に向けた施策の推進が期待される。インバウンド消費5兆円の早期達成、日本人国内旅行消費額20兆円の早期回復などの目標を踏まえながら、観光産業の高付加価値化、持続可能な観光地域づくりなどが課題となる。
退任する和田氏は21年7月に就任して以来、約2年間にわたって長官を務めた。県民割や全国旅行支援による観光需要の喚起、段階的なインバウンドの再開、観光地・観光産業の再生・高付加価値化事業の推進などに尽力した。
髙橋 一郎氏(たかはし・いちろう)1988年4月、運輸省(現・国交省)入省。2014年4月観光庁観光戦略課長、15年7月同総務課長、17年7月内閣官房特定複合観光施設区域(IR)整備推進本部事務局審議官。18年7月内閣官房東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会推進本部事務局企画・推進統括官。19年7月観光庁次長。21年7月海事局長。東大法卒。東京都出身。58歳。