観光庁の田端浩長官、日本旅行業協会(JATA)、全国旅行業協会(ANTA)の役員らが2月24日、新型コロナウイルスが発生した中国・武漢からの帰国者を一時受け入れた千葉県勝浦市を訪問。現地を視察するとともに市の観光関係者と意見交換した。
2月22日から3月3日まで予定されていたイベント「かつうらビッグひな祭り」に合わせての訪問だったが、新型コロナウイルスの影響でイベントが中止。一行は意見交換を行ったほか、市内で400年以上続く朝市や、全国から寄せられた多くのひな人形など、市を代表する観光資源を視察した。
視察には勝浦市の土屋元市長、高橋吉造観光商工課長、同市観光協会の渡辺幸男会長、江澤修副会長、山口隆事務局長らが同行。千葉県から滝川伸輔副知事も同行した。
意見交換で市の観光協会は、「昨年の台風と今回のコロナウイルスで市の観光産業はシュリンク(縮小)している」と苦境を訴え、観光庁、JATA、ANTAの出席者にアドバイスを求めた。出席者は「成田空港、東京駅から近く、伸びしろがある」「さまざまなコンテンツから、優先順位を付けて宣伝するべきだ」とアドバイスするとともに、「できる限りのことを行う」と、送客などで支援する考えを述べた。
勝浦市では昨年8月、市の観光協会が日本版DMOの候補法人に登録。朝市、漁港、カツオなど地域資源を生かした観光コンテンツの開発や、市内にキャンパスを置く国際武道大学、マリンスポーツ事業者と連携したスポーツツーリズムに取り組んでいる。
市の一大イベント、かつうらビッグひな祭りは全国から寄贈されたひな人形約3万体を市内各所に飾る催し。神社の60段の石段に約1800体の人形を飾るなどスケールの大きな装飾が話題となり、毎年およそ16万人の観光客を集めている。
朝市を視察する観光庁の田端長官(右から2番目)ら