観光庁は、観光客のマナー向上に向けて、旅先で推奨する行動を訪日外国人旅行者などに示す「未来のための旅のエチケット」(以下、エチケット)を策定した。オーバーツーリズムなどの課題を踏まえ、秡川直也長官は、「エチケット」を日本政府観光局(JNTO)のウェブサイトや海外メディアを通じて周知していく考えを示した。日本国内でも観光案内所などにポスターの掲示を促し、浸透を図る。併せて禁止事項などを表すピクトグラムを作成しており、自治体やDMO、観光事業者に活用してもらう。
「エチケット」は5言語で作成。推奨内容は、(1)歴史・文化・自然を学びマナーを守る(2)混雑を避けて、上手に観光する(3)荷物を減らし、手ぶらで身軽に旅する(4)文化財の価値や意味を知り、大切に扱う(5)未来のために、観光地の美しさを保つ(6)地元の産品を選び、地域を応援する(7)ゆっくり滞在して、日本各地の多様な魅力を楽しむ。
「エチケット」の策定について秡川長官は「マナーの啓発は、オーバーツーリズムやそれに近い事例に対応する有効な手段の一つ。観光客には悪気があるわけではなく、文化の違いが大きい。旅先の環境や地元の方たちに配慮しながら旅を楽しむにはこうした方がいいと分かりやすく伝えていきたい」と述べた。
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