観光庁の「地域一体となった観光地・観光産業の再生・高付加価値化」事業の第3回審査の結果、59地域の地域計画が採択された。採択の累計は第1回審査の53地域、第2回審査の58地域を合わせて170地域となった。計画策定中の地域も残っており、有識者の審査に諮った上で追加で採択する。
第3回審査で採択された主な地域計画の概要を見ると、摩周湖観光協会(北海道弟子屈町)の計画は、日本最大のカルデラが生んだ火山、森、湖、これらの自然を含む国立公園を満喫するカヌー、トレイルの聖地を目指す。休業中のホテルの改装や新規開業、各施設の外観改装による街並み整備、宿泊施設の客室改装などで、地域全体の魅力向上と消費額増につなげる。
羽後町商工会(秋田県羽後町)の計画は、築180年の古民家「旧柴与家」を観光案内所兼宿泊施設として改修する。飛騨・高山観光コンベンション協会(岐阜県高山市)は、「和」を感じるゆとりある空間への宿泊施設の改修などを行い、長期滞在を促す。大歩危・祖谷いってみる会(徳島県三好市)の計画は、自然風景を取り込んだ宿泊施設の客室改修などを行う。
第3回審査で採択された59地域の地域計画のうち、松江市(島根県)、土佐清水市(高知県)、恩納村(沖縄県)が策定した地域計画の事業内容は、宿泊・観光施設の改修、廃屋の撤去などを含まない、地域一体となった面的な観光DX(デジタルトランスフォーメーション)に特化した事業計画となっている。
「地域一体となった観光地・観光産業の再生・高付加価値化」事業は、自治体、DMO、事業者団体などを主体とする地域を募集し、観光地域づくりに関わる企業の担当者、コンサルタントなどの専門家による伴走支援を実施した上で、コンセプトや事業の方向性を記載した地域計画を策定。採択されると、地域計画に盛り込まれた宿泊施設の改修などの個々の事業に補助金が交付される。
第3回審査による採択案件は次の通り(団体名、所在地、計画地域)。
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