全国の高校生が自ら作った地域観光プランを競い合うコンテスト「観光甲子園」の本選が24日、神戸市の神戸夙川学院大学で開かれた。各校とも、寸劇や生中継を盛り込むなどして、自分たちのプランの魅力を元気いっぱいにアピール。グランプリである二つの賞、文部科学大臣賞に山形県立鶴岡中央高校、観光庁長官賞に宮城県農業高校が輝いた。
主催は観光関係者で作る同大会組織委員会(大会組織委員長=石森秀三・北海道大学観光学高等研究センター特別招聘教授)。神戸夙川学院大が共催。文部科学省、観光庁、兵庫県など20を超える産官学が後援した。
第6回となるコンテストには全国69校から131点の応募があり、書類による予選審査で選ばれた10校が本選に進んだ。
グランプリを受賞した鶴岡中央高校のプランは、台湾の高校生がターゲット。地元の先端科学技術や農業、食などの地域資源を、地元の高校生と交流しながら体験し、日台のつながりを深めるもの。テンポ良いプレゼンテーションで会場を引き込み、会場の学生らの投票で選ばれる、神戸夙川学院大学長賞とのダブル受賞を果たした。
宮城県農業高校のプランは、目の前に拡張現実を映し出すメガネ「ARグラス」を使って、被災地の過去と震災当日と未来を体感できる新たな形の被災地ツアーに、植栽による新たな観光地作りなどを組み合わせた内容。すでに一般企業からの支援なども受け、ツアーの実現に向け取り組んでいるという。
審査委員長を務めた石森大会組織委員長は、「どのプランも、地域課題をどう乗り越えていくかという一案が提示されていた。地域における連携を重視している点も高く評価できる」と講評した上で、「観光立国の推進のための一番の課題は人材育成。今回のような観光プランを高校生の皆さんが考えてくれるのは頼もしいことであり、観光甲子園が今後の人材育成にさらなる役割を果たすことを期待したい」と述べた。
他の結果は次の通り。
準グランプリ=沖縄県立向陽高、青森県立青森商業高、岐阜県立益田清風高▽優秀作品賞=高知県立室戸高、横浜市立横浜総合高、長野県屋代高、山形県立新庄南高、京都府立須知高▽特別賞=山形県立置賜農業高、岐阜県立岐阜総合学園高、北海道美幌高、長崎県立五島海陽高、長野女子高、福島県立会津工業高、青森県立青森商業高、松江市立女子高、福井県立奥越明成高
山形県立鶴岡中央高校の発