観光に関わる団体や企業で構成する観光立国推進協議会(委員長=菰田正信日本観光振興協会会長)の第11回会合が15日、東京都港区の東京プリンスホテルで開かれた。企業や団体のトップを務める委員、来賓など約140人が出席。大阪・関西万博の最新情報が報告されたほか、委員からは好調なインバウンドについて、地方誘客、地方分散を早期に実現すべきとの意見が相次いだ。
観光取り巻く諸課題で意見交換
観光立国推進協議会の会合
冒頭のあいさつで菰田委員長は「観光業界は、深刻な人手不足の問題や、訪日外国人旅行者の急増により一部地域では混雑が常態化し地域住民の日常生活へ影響が生じるなど多くの課題に直面している。また、アウトバウンドに関しては、為替や物価高の影響もあり、依然として厳しい状況が続いている。観光を取り巻く諸課題について意見交換を行い、観光産業のさらなる飛躍に努めていきたい」と述べた。
4月に開幕する大阪・関西万博では、2025年日本国際博覧会協会副事務総長の髙科淳氏が、準備状況や最新のイベント情報、誘客への取り組みなどを報告した。髙科氏は「会期の後半から終盤にかけては混雑が予想される。ぜひ前半にお越しを。比較的空いており、余裕をもって見て回れる」と会期前半の来場、集客を呼び掛けた。
意見交換では、日本航空の赤坂祐二会長が「一部観光地における混雑や宿泊施設の不足といった話を聞くにつれ、すでに現状でインバウンドの受け入れが相当厳しくなっている。インバウンドの地方誘客、地域分散はもう待ったなし。大阪・関西万博を機に、この改善に向けた取り組みを加速させていく必要がある」と訴えた。
インバウンドの地方誘客については、日本百貨店協会の好本達也会長も、百貨店におけるインバウンド業績は好調だが、「地方にインバウンドが行っていない。百貨店での免税売り上げのシェアも地方では低い」。さらには、「売れている商品は海外ブランドも多い。日本の製品をもっと紹介しなければならない」と指摘した。
「訪日の勢いを成長に」菅元首相があいさつ
菅義偉元首相
観光立国推進協議会に引き続き、日本観光振興協会と観光関係団体懇談会の主催による観光関係者新春交流会が開かれ、約400人が参加した。来賓として菅義偉元首相(自民党副総裁)、高見康裕国土交通大臣政務官、斉藤鉄夫公明党代表、鶴保庸介自民党観光立国調査会会長、赤羽一嘉公明党副代表(公明党観光立国推進本部本部長)らが駆け付けた。
会員向け記事です。