有識者でつくる観光立国推進戦略会議(座長・牛尾治朗ウシオ電機会長)は1日、「地域が輝く『美しい国、日本』の観光立国戦略」として地域活性化の視点を重視した提言をまとめた。提言では、(1)地域固有の宝を生かした、個性豊かな地域づくり(2)システム改革による観光消費の拡大(3)「美しい国、日本」の実現とその戦略的情報発信──の3テーマから取り組みを求めている。
提言はこれまで検討内容を基に具体的な取り組みを求めたもの。1日に首相官邸で開かれた第9回会合で報告された。
「地域固有の宝を生かした、個性豊かな地域づくり」では、地域の魅力を最大化することに主眼を置いた。具体的な提言として、地域固有の観光資源を保全・活用するための取り組みの奨励、観光まちづくりを全体で支える持続的地域経営モデルの創出などを挙げた。
この中では、旅館、町家、産業遺産などの観光資源の活用に向けて、資金協力を含めた企業や市民の参加を奨励することも求めている。
「システム改革による観光消費の拡大」では、観光産業の生産性向上、旅行を促す環境整備として、(1)観光産業の事業運営の効率化とともに、多様なニーズに応えたサービスの提供・顧客満足度の向上への取り組みを推進(2)消費者の多様な選択を支援する旅行商品情報提供システムやITなどを活用した流通システムの高度化(3)休暇・働き方の多様化の促進を通じた観光需要・消費の拡大──などを示した。ニューツーリズム商品の創出に向け異業種間や産学官の連携も訴えた。
「『美しい国、日本』の実現とその戦略的情報発信」では、訪日外客の誘致に向けた日本ブランドの海外発信のほか、国際会議などの誘致・開催に向けて国家戦略の策定、実行を求めている。
地域重視の提言をまとめた戦略会議