観光経済新聞社主催「人気温泉旅館ホテル250選」認定証授与式に400人


約400人が参集した今年度の認定証授与式

 観光経済新聞社は15日、東京の浅草ビューホテルで「2024年度人気温泉旅館ホテル250選認定証授与式」を開いた。入選施設に認定証を授与したのをはじめ、250選と同時に実施の「第38回にっぽんの温泉100選」の1~3位と実行委員会特別賞を表彰した。受賞者、来賓合わせて約400人が出席。懇親会では観光庁の鈴木貴典審議官らがあいさつ。授与式に先立ち、東京大学大学院情報学環総合防災情報研究センターの松尾一郎客員教授が防災をテーマに講演した。昨年の能登半島地震で自身が経営する宿が被災した日本温泉協会の多田計介会長が松尾氏の講演を受け、現地の復興状況を説明した。

 250選は旅行会社社員らによる温泉地の旅館・ホテルの人気投票。全国の温泉地の人気投票「にっぽんの温泉100選」と同時に観光経済新聞社が毎年行っている。全国の旅行会社に投票用紙を配布して7~10月の4カ月間、自身が薦める温泉地と宿をそれぞれ五つ記載してもらい、観光経済新聞社内の事務局で集計。上位を抽出し、観光関係8団体による実行委員会の審査の上、入選を決定している。

 250選は、宿にさまざまな形態があるため軽率に順位付けをするのは適当ではないと判断し、入選した施設を毎回順位を付けずに公表している。通算5回(年)以上入選の施設は「5つ星の宿」の称号とともに特別な認定証を授与。今回は240軒が「5つ星の宿」となった。昨年、250選が25回目を迎えたことを記念して、25回全てに入選した施設を「プラチナ」として特製の盾を授与したが、今回は新たに通算25回入選の宿22軒にプラチナ盾を送った。

 授与式で観光経済新聞社の積田朋子社長(100選・250選実行委員長)は「今回選ばれた『100選』『250選』は、日本の伝統文化を世界に広げ、後世に伝える役割を担う立派な温泉地、旅館・ホテルだ。今後も精進を続けられることを祈念する」と主催者を代表してあいさつ。

 観光関係8団体で組織する実行委員会から、日本観光振興協会の最明仁理事長が今回の選定経過を報告した。

 250選旅館・ホテルへの認定証授与は、全国6地区の代表に積田社長が行った。各地区の代表は登別温泉郷滝乃家・須賀紀子女将(北海道地区代表)、水織音の宿山水荘・渡邉利生社長(東北地区代表)、慶雲館・川野健治郎社長(関東甲信越地区代表)、十八楼・伊藤善男社長(中部地区代表)、湯元こんぴら温泉華の湯紅梅亭・琴平グランドホテル桜の抄・近兼弘幸社長(近畿中国四国地区代表)、清流山水花あゆの里・有村政代副社長大女将(九州地区代表)。

 温泉100選の1~3位と実行委員会特別賞には表彰状とトロフィーを授与。1位の草津温泉(群馬県)は山本剛史・同温泉観光協会会長、市川薫・同協会顧問らが登壇。「22年連続の名誉ある賞を頂き感無量。草津温泉に完成はない。未来に向かって未完成のまま走り続けたい」と次回の23年連続トップに向けて意欲を語った。

 前回の3位から2位にランクアップした道後温泉(愛媛県)は松山市の野志克仁市長、同温泉旅館協同組合の奥村敏仁理事長らが登壇。「地元の皆さまと良いおもてなしをこれからもつくり上げたい」とさらなるランクアップへ抱負を述べた。

 3位の下呂温泉(岐阜県)は下呂市の田口広宣副市長、同温泉観光協会の瀧康洋会長らが登壇し、上位入選に謝意を示すとともに、観光を核とした地域づくりを今後も進める考えを述べた。

 実行委員会特別賞は道後温泉のまちづくり組織「道後温泉誇れるまちづくり推進協議会」が受賞した。宮﨑光彦会長、山澤満副会長が登壇し、協議会のこれまでの取り組みを紹介。受賞に謝意を述べた。

 懇親会では観光庁の鈴木貴典審議官、国連世界観光機関駐日事務所の本保芳明代表、環境省の坂口隆・自然環境局自然環境整備課温泉地保護利用推進室長があいさつ。

 日本旅館協会の桑野和泉会長が乾杯の発声、日本ホテル教育センターの石塚勉理事長が中締めのあいさつを行った。

 式典に先立ち、東京大学大学院情報学環総合防災情報研究センターの松尾一郎客員教授が「災害多発国日本! 命を守る観光業界の役割とは」をテーマに特別講演を行った。

 松尾氏は激増する自然災害について、「地球が変化している。私たちも変化をしなければ(現状に)太刀打ちできない」と強調。「まず危機感を持つこと。そして被害を軽減するためにどんな行動をすべきかを考えることだ。それぞれの災害におけるリスクについて、事前に知り、防災計画を作る必要がある」と訴えた。

 講演を受けて昨年1月1日の能登半島地震で大きな被害を受けた石川県和倉温泉の旅館「美湾荘」会長で日本温泉協会会長の多田計介氏が現地の被害と復興状況を説明した。

 多田氏は全国の同業者、観光関係者から多くの支援を受けたことに謝意を述べたのに続き、「(和倉温泉の)22軒の旅館全てが営業できなくなったが、1人の死傷者も出さずにお客さまを避難誘導できた」「現在は4軒が一般のお客さまを受け入れている。年度内にあと5軒、合計9軒が通常営業できる予定だ。ただ、残りは再開まであと2~3年かかる見通し」と報告。「未来志向のまちづくりを今、計画しているところだ」と温泉街の復興計画策定が若手経営者らを中心に進められている現状も述べた。


約400人が参集した今年度の認定証授与式

【本社授与式 主な来賓】

 観光庁審議官・鈴木貴典▽同観光地域振興部長・長﨑敏志▽同観光産業課課長補佐(総括)・村瀬崇史▽国連世界観光機関(UNWTO)駐日事務所代表・本保芳明▽環境省自然環境局自然環境整備課温泉地保護利用推進室長・坂口隆

 日本観光振興協会理事長・最明仁▽日本政府観光局(JNTO)理事・出口まきゆ▽同地域連携部長・大川戸修二▽日本旅館協会会長・桑野和泉▽同専務理事・青木幸裕▽全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会会長・井上善博▽同専務理事・亀岡勇紀▽日本温泉協会会長・多田計介▽同専務理事・関豊▽日本旅行業協会国内旅行推進部長・野浪健一▽同広報室長・桑名美保▽全国旅行業協会副会長・近藤幸二▽同総務部長・生方惠介▽公益財団法人日本交通公社観光研究部主任研究員・後藤伸一

 地域伝統芸能活用センター会長・梅﨑壽▽全日本ホテル連盟会長・清水嗣能▽日本ホテル協会事務局長・小林由人▽国際観光施設協会副会長・野出木貴夫▽国際観光日本レストラン協会常務理事・寺井豊▽同副会長・平塚武▽宿泊施設関連協会会長・林悦男▽全日本社寺観光連盟理事長・藤野公孝▽国際観光文化交流協会副理事長・八木豊▽日本秘湯を守る会名誉会長・佐藤好億▽同会長・星雅彦▽全国旅館会館企画管理部長・平野利晃▽日本音楽著作権協会広報部調査役・深澤一央

 中国駐東京観光代表処プロモーションマネージャー・山田亜美▽台湾観光協会東京事務所副所長・洪瑞聯

 立教大学観光研究所特任研究員・玉井和博▽東洋大学国際観光学部客員教授・越智良典▽東洋大学准教授・徳江順一郎▽日本ホテル教育センター理事長・石塚勉
 日本専門新聞協会名誉会長・波田幸夫▽日本専門新聞政治連盟会長・大塚一雄

 草津温泉観光協会会長・山本剛史▽同副会長・小林由美▽同顧問・市川薫▽草津温泉旅館協同組合理事長・黒岩裕喜男▽草津温泉湯の華会会長・黒岩智絵子▽草津町役場観光課長・宮﨑健司

 松山市長・野志克仁▽道後温泉旅館協同組合理事長・奥村敏仁▽道後温泉誇れるまちづくり推進協議会会長・宮﨑光彦

 下呂市副市長・田口広宣▽下呂温泉観光協会会長・瀧康洋▽岐阜県議会議員・今井政嘉

 JTB協定旅館ホテル連盟専務理事・伊藤智▽JTB旅連事業代表取締役・戒田智彦▽JTB商事営業企画部戦略商品選任部長・谷岡学▽JTBガイアレック執行役員サン&サン仕入企画販売部長・飯村勝美▽JTBパブリッシングブランド戦略室長・星野織絵▽近畿日本ツーリスト執行役員事業推進本部国内旅行部長・阪上敏明▽KNT―CTホールディングスコーポレート・コミュニケーション部部長・岩本基代▽KNT―CTパートナーズ会常務理事・三上勇▽日本旅行ツーリズム事業本部国内旅行事業部担当部長・布尾正晴▽同秘書広報部広報担当マネージャー・井村瑶子▽日本旅行協定旅館ホテル連盟専務理事・清水芳裕▽東武トップツアーズ営業統括本部国内旅行部長・安川朋子▽同経営戦略部長情報セキュリティ対策室長・本間浩一▽東武トップツアーズ協定旅館ホテル連盟事務局長・瀬川靖▽東武トップツアーズ協定運輸観光施設連盟事務局長・千田淳▽JR東日本びゅうツーリズム&セールス代表取締役社長・高橋敦司▽ANA X執行役員旅行事業担当・越後泰明▽読売旅行協力会本部常務理事事務局長・松澤昌彦▽農協観光事業推進部旅行事業課課長・田中俊行▽農協観光協定旅館ホテル連盟事務局長・土屋龍一▽阪急交通社CSR推進本部広報部長・鈴木毅▽全旅経営企画本部長兼クーポン事業部部長・髙山貴▽はとバス執行役員経営本部広報室長・加藤一久▽リクルート旅行Division部長・内海裕晃▽ゆこゆこ執行役員・笠原一徳▽東海予約センター取締役事務局長・大長正明▽Trip.comホテル事業部運営マネージャー・林学賢▽同グローバルPR部PRマネージャー・大塩久美子▽ベストリザーブ代表取締役社長・有木祐二

 東京霞ケ関ライオンズクラブから5名(順不同)

 
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