需要拡大の鍵はアジア圏
2023年は、新型コロナの水際措置が撤廃され、個人旅行が再開し日本を訪れる外国人旅行者が増えました。国別では韓国、台湾、中国、香港と東アジアからの訪日旅行客が増加し、中国以外のほとんどの地域のインバウンド市場が回復から拡大のフェーズへと移行しています。また、旅行者の動向は、団体・パッケージ旅行から個人旅行へのシフトが見られ、自然や食、文化体験など「コト消費」が増えています。JTBグループでは、これらの動向に対応し、「インバウンド向けの観光コンテンツの高付加価値化」を進めており、具体的には、ガストロノミー、アドベンチャー、サステナブル、メディカルの四つの分野で取り組みを強化しております。
JTBとTrip.comグループは、アジア圏からの訪日インバウンド領域における宿泊施設や各自治体などの事業パートナーの課題解決を目的に、23年11月1日に株式会社JTB Inbound Trip(以下、JIT)を設立しました。JITでは、両社の持つ訪日インバウンド領域の知見を活用し、旅行商品の仕入強化、誘客プロモーション、誘客に向けた戦略設計支援など、多岐にわたる面でご提案やご協力が可能です。特にTrip.comグループの訪日市場情報やプラットフォームを活用し、アジアを中心とした訪日インバウンド旅行者へのアプローチを強化します。また、地域事業者や自治体と連携し、地域の魅力を最大限に引き出すための取り組みをサポートいたします。
訪日インバウンド旅行者の受け入れを進めるには、地域住民と共生していくという意識を高めながら、受け入れるための対策を同時に行うことが非常に重要です。23年度の観光庁補正予算では、マナー啓発や観光客の分散などの施策が多く実施されておりました。持続可能な観光地域づくりのためには、国や自治体が地域の皆さんと協力し、受け入れ環境の整備を行うことが必要であり、JITは市場分析や施策提案を通じて、環境整備に貢献したいと考えております。
今後の訪日インバウンド需要の鍵はアジア圏にあり、特に訪日旅行者の構成比が高い隣国、東アジアのマーケットに向けたコンテンツの充実とプロモーションが重要です。さらに中国市場は本格的に回復した状態とは言えず、復活に備えた体制を速やかに整えておくことが重要です。JITでは、JTB各都道府県の法人営業担当や仕入営業担当と連携を行い、日本国内の事業パートナーの皆さまからのご要望に対するご提案、ご支援を継続的に行ってまいります。ぜひ一度ご相談ください。