観光客減で伸び悩み
2019年1~10月累計の訪日外国人旅行者数(JNTO推計値)は、前年同期比3.1%増の2691万4400人となった。中国、欧米豪、東南アジアは総じて好調だが、韓国客の減少が響き、伸び率が縮小している。残り2カ月が前年並みで推移した場合でも、年間の訪日外国人旅行者数は3199万7千人程度で、18年(3119万2千人)と同水準にとどまる。
10月までの累計は、中国が13.5%増の813万3千人、韓国が18.1%減の513万2千人、台湾が2.0%増の415万人、香港が0.6%増の184万2千人。欧米豪9カ国は13.1%増の344万2千人、東南アジア6カ国は12.4%増の290万4千人。
政府が訪日外国人旅行者数の目標に掲げる20年4千万人の達成には、現状から大幅な伸びが必要となる。韓国市場については、JNTOが訪日プロモーションを順次実施しており、日韓情勢も日々動いているが、訪日需要の回復は予測できない状況で、目標達成への課題となりそうだ。
4千万人達成について観光庁の田端浩長官は11月20日の会見で、日韓の相互交流を維持、拡大するとともに「中国、欧米豪、東南アジアなどを強化する。韓国路線を除けば、航空便は増加しており、座席供給量が増える市場を伸ばしていく。来年には首都圏空港、新千歳、那覇といった地方空港の発着回数が拡大するので、そうしたプラス要素を生かす」と述べた。