2020年の訪日外国人旅行者数(年間値)は、コロナ禍を受け、前年同期比87.1%減の412万人となった。日本政府観光局(JNTO)が20日に発表した推計値。19年は過去最高の3188万人を記録したが、20年2月以降は大幅に減少し、観光目的の入国がなくなった。世界的な流行が続いており、回復の見通しは立っていない。
観光庁の蒲生篤実長官は20日の会見で「2020年は本来、訪日外国人旅行者数4千万人を目標として取り組む年であったことを考えれば、非常に残念」と述べた。一方で「わが国の観光資源の魅力が失われたわけではない」として、30年の政府目標である訪日外国人旅行者数6千万人、その消費額15兆円の実現に努力する考えを示した。
また、JNTOが20日に発表した20年の出国日本人数(推計値)は、前年同期比84.2%減の317万人となった。日本人の海外旅行者数に当たる実績で19年には過去最高の2008万人を記録したが、インバウンドと同様にコロナ禍の影響で大幅に減少した。