農林水産省は農山漁村を訪れる外国人観光客を増やすため、「食と農の景勝地」事業を創設し、第１弾として北海道の十勝地域など５カ所を認定した。これら地域は統一の認定ロゴマークを使用し、海外に向け事業をアピールできる。地域に外客を呼び寄せることができるか、事業の成否が注目される。
同事業は、実行組織が地域の農林水産物を使った「食」を核に、景観などの観光資源を組み合わせて観光ルート設定するなど、訪日外客を誘客する取り組みを農水相が認定するもので、今年度創設された。
６～７月に地方自治体などを対象に取り組み計画の募集を行った。４４地域から応募があり、審査委員会（委員長・寺島実郎多摩大学長）が「特に優れた取り組みとして認められる」（食料産業局食文化・市場開拓課）５地域を「食と農の景勝地」に認定した。
審査委員には日本旅行業協会（ＪＡＴＡ）の綿石隆人・国内推進委員会地域活性化部会長や小西美術工芸社のデービット・アトキンソン社長らがメンバーとして名を連ねている。
初認定されたのは、北海道の十勝地域、岩手県の一関市・平泉町、山形県の鶴岡市、岐阜県の馬瀬地域、徳島県のにし阿波地域の五つ。
このうち、一関市・平泉町は一関もち食推進会議が実行組織となり、「日本のもち食文化と黄金の国の原風景」をキャッチフレーズに事業を展開する。具体的には、地域に根付いた餅文化や平泉の文化遺産（中尊寺など）・伝統行事に加え、餅つきや紙すきなど外客が好む体験ルートを整備、誘客する。
認定ロゴマークは山、海、田、畑、川、そして箸を表している
