見つけよう！今、元気なムラの取組
「強い農林水産業」「美しく活力ある農山漁村」の実現のため、農山漁村の有するポテンシャルを引き出すことにより、地域の活性化、所得向上に取り組んでいる優良事例を選定し、全国に発信する内閣官房および農林水産省共催の「ディスカバー農山漁村（むら）の宝」。昨年（第３回選定）は、応募７６９地区の中から３０地区が選定され、１２月２日にグランプリなどの各賞が決定した。
本紙では、グランプリなどの受賞地域、観光分野に注力している選定地区について紹介している。今週号では、グリーン・ツーリズムなどで国内外の旅行者の受け入れに成果を上げている４地区の取り組みを紹介する。
農水省 「農泊」推進、500地域創出へ
農林水産省は、日本ならではの伝統的な生活体験や農山漁村地域の人々との交流を楽しむ農山漁村滞在型旅行を「農泊」と呼称し、来年度から農泊に意欲のある地域を重点的に支援する方針だ。来年度予算案には新規で５０億円を計上。２０２０年度までに「農泊地域」５００カ所の創出を目指す。
農泊は農山漁村での民泊、民宿だけでなく、既存の旅館・ホテル、改修した古民家などを含め、旅行者のニーズに合った宿泊手段により、農山漁村の産業や文化などを生かした体験・交流のコンテンツを楽しむ滞在型旅行を意味する。訪日外国人を含む旅行者を呼び込み、農山漁村の所得向上につなげるため、農泊をビジネスとして持続的に実施できる地域の創出を後押しする。農水省では観光庁などと連携し、組織・人材の育成、観光コンテンツの充実、古民家改修や体験施設整備、国内外へのプロモーションなど、ハード、ソフトの取り組みを一体的に支援する。
「ディスカバー農山漁村（むら）の宝」の選定地区から農泊地域が誕生することも期待される。旅行市場の拡大につながる農泊の推進には観光業界の注目も集まりそうだ。
