農泊、25年700万人泊へ 地域課題解決の糸口に


 「農泊」とは、農山漁村地域に宿泊し、滞在中に地域資源を活用した食事や体験などを楽しむ「農山漁村滞在型旅行」のこと。農林水産省(農水省)が農山漁村振興交付金で農泊推進の支援に採択した「農泊地域」は、2021年度末時点で599地域あり、25年までに700万人泊を目指す。地域経済の好循環形成の突破口となり、地域課題解決のゲートウェイとして期待される農泊の現状、そして未来を探る。

 

長期滞在につながり消費促す

 農泊の狙いは、宿泊、食事、体験など農山漁村ならではの地域資源を活用した観光コンテンツを提供し、農山漁村への長時間の滞在と消費を促すこと。立ち寄るだけの「通過型観光」ではなく、食や農作業体験、農家民泊など、宿泊・体験型コンテンツの充実による「滞在型観光」の実現が期待される。地域への利益の最大化や農山漁村の活性化、所得向上を図るとともに、新たな雇用、農山漁村への移住・定住をも見据えた関係人口の創出の入り口となり得る。

 

19年度ピーク、コロナ禍で3割減

 

 農泊利用者(延べ宿泊者数)は、17年度が約190万人泊、18年度が約366万人泊、19年度には約589万人泊まで急増。インバウンドの割合も年々増加傾向が続き、19年度は6.4%だった。ピークであった19年度では、関連消費が約900億円(宿泊が約490億円、食事が約250億円、体験が約150億円)、所得が約360億円創出された。コロナ禍で農泊利用者は一時約3割減にもなったが、密を避け、地域の特徴が生かされた農泊で使用できる施設数は増えている。国が支援して整備した古民家は、17年度の11軒から21年度(累計)には108軒、約10倍に増加している。農泊地域の展開には、地域ブロック、都道府県で温度差があるが、農水省は「まだまだ裾野の拡大の余地は大きい」と話す。

 

体験プログラムは3.4倍に

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