近畿日本ツーリスト(近ツー)と成田国際空港は14日、視覚障害のある人を案内して空港を体験してもらう「成田空港体験講座」を開催した。視覚障害者11人が参加し、チェックインや保安検査、入国審査などを体験した。体験講座を通じて、障害者に対応したバリアフリー化やユニバーサルツーリズムを促進する。
体験講座では、視覚障害者1人に案内スタッフ1人が同行し空港内を案内した。専用カウンターでのチェックインや保安検査、入国審査、搭乗ゲートの通過などの体験を行った。旅券やゲートなど普段触らないものを手で触って機材を確認してもらう機会も提供した。
講習を受けた視覚障害者からは「実際に触れて確認することで不安が解消した」「音は今まで搭乗の際に聞いて知ってはいたが、どんな形をしているかまで分かると想像ができて良い経験になった」との声が上がった。
一方、質疑応答では「移動中の際にもっと音声案内がほしい」「駅から案内カウンターまで案内が少なすぎて不安だ」などの指摘があった。
案内スタッフとして同行した近ツー成田空港サービスセンターの金田優雅子氏は「一緒になったパートナー障害者が不安にならないように考えて指示をした。パートナーからも案内者に対し、パートナー目線の意見をいただいた。今回の体験を生かし、空港内で案内が足りないと感じたところは改善したい」と語った。ほかのスタッフからも体験講座からさまざまなことが学べたとの声が多く聞かれた。
近ツーと成田国際空港は今後も、障害対象者が空港内の移動への不安を解消でき、スムーズに空港を利用できるようにするための取り組みを実施していく。