近畿日本ツーリスト協定旅館ホテル連盟(2922会員)は2月21日、東京・白金台のラディソン都ホテル東京で通常総会を開き、西野目信雄副会長(ホテル大雪)の会長就任を正式に決めた。七條健会長(九州ホテル)は相談役に就いた。07年度は、各連合会に新たに「ニューツーリズム研究会」(仮称)を設けるとともに、本部に「Web委員会」(同)を立ち上げ、KNTのeビジネス事業に協力する体制を整える方針だ。
総会にはKNT本社役員を含め、約250人が出席。冒頭あいさつした七條会長は「今年は団塊世代の大量退職、ITによる社会構造の変化といった大きな課題が集中する年を迎え、宿泊業界においても戦略、戦術などを立案しなければならない」と対応を呼び掛けた。その上で、「消費者が価格決定者になる時代であり、自社商品とユーザーとの信頼関係の構築が問われてくる。このような時こそ旅連と会社は共生の道を模索すべきだ」と述べた。
KNTの太田孝社長は今年の出足について「メイトの第1四半期(1~3月)の契約状況は前年同期比2ケタ増であり、4~6月期も140%となっている。この勢いで夏商戦に望みたい」と好調さをアピールした。
会社の枠を超え、協業によるシナジー効果を求めるプラットフォーム戦略については、現在16社と資本・業務提携しているが「今年中に30社にしたい」と述べ、倍増させる方針を明らかにした。また、総合宿泊予約サイト「ステイプラス」にかける意気込みを語り、旅連会員の一層の協力を求めた。
KNTは07年度の宿泊券販売目標額を1370億円(前年度比11%増)と設定。旅連はこれを受け、今年度は(1)会社の宿泊券増売施策を積極的に支援し、顧客の誘致および需要喚起を図る(2)会社の協力を得て宿泊券販売に特化した委員会を設置し、増売に貢献する──を基本方針に掲げた。
具体的には、(1)本部に「情報連絡員連合会代表者会議」(座長会議)を設け、各地区の諸問題を検討する。連合会にはニューツーリズム研究会を設置し、地域を売る仕組みづくりに取り組む(2)Web委員会の立ち上げ(3)インバウンド委員会の活性化による訪日客増大の戦略確立(4)ブロック活動に重点を置いた「教育旅行部会」を通じ、多様化する仕向け地の開発を進める(5)各営業本部カンパニーと連携した事業計画を作成し、共同責任体制で宿泊券の増売を目指す──など。
委員会については「機動的に立ち上げる」方針も打ち出した。
七條会長の後任となった西野目新会長は「覚悟を決めて(旅連)運営に取り組む」と強調し、KNTに対し会員施設への一層の送客を要望した。
役員改選では、副会長に鐵顯彦(ホテル知床)、堀泰則(ひだホテルプラザ)、佐野喜一郎(ホテル佐野家)、宮里一郎(沖縄ホテル)の4氏が新たに就任した。
西野目会長(左)から功労者表彰される七條前会長(後方は滝氏ら表彰者)