企業が取り組み紹介
経済産業省近畿経済産業局は11日、「オープンファクトリー」に関するフォーラムをオンラインで開催した。工場見学など、ものづくり現場を外部に公開したり、体験してもらったりするオープンファクトリーについて、地域における重要性や自社の取り組みを企業関係者らが語った。
同局が近畿2府5県の中小企業に行った調査によると、企業がオープンファクトリーを始めた最大の理由は、既存顧客への技術力のアピールや新規顧客の開拓など、社外への働き掛けが84%とトップ。一方、取り組み後の効果として、従業員のモチベーション向上など、社内への働き掛け効果が39%と、トップ(社外への働き掛け効果、45%)に次ぐ僅差の2位となった。「社内の従業員に対する人材育成の効果が当初の想定以上にあったことを表している」と同局。
関西ではオープンファクトリーに関する複数の事業者による取り組みや、自治体との協働が各地で進む。福井県で「RENEW」、京都府で「DESIGN WEEK KYOTO」と題した参加体験型イベントを開催。大阪府八尾市には地場産業の体験施設「みせるばやお」が2018年にオープンした。
南海電気鉄道は「まちづくり創造室」を開設して沿線の産業や企業活動を支援している。中小企業の若手後継者支援、採用活動支援、オープンファクトリー支援が三本柱で、このうちオープンファクトリーでは沿線の堺、貝塚、泉佐野のオープンファクトリーに関わるイベントなどの支援を今後本格的に行う。事業を通して沿線に魅力的な職場を増やすとともに、産業観光を促進したいと担当者(同社まちづくり創造室沿線価値創造部課長補佐・仲矢明子氏)は話している。
南海電気鉄道など、オープンファクトリーを支援する企業が参加したフォーラム