道内初「旅先納税」を共同で開始 札幌圏の11市町村


「さっぽろ圏e旅ギフト」のポスター

観光振興機構が事務局業務担当

 札幌市を中核とする「さっぽろ連携中枢都市圏」の11市町村は1日から、旅行先の同市町村にふるさと納税すると、共通返礼品として現地で使える電子商品券「さっぽろe旅ギフト」がもらえる旅先納税を共同で開始した。

 広域連携で取り組むことで域内の周遊を促し、地域観光の拡大につなげるのが狙い。実施は道内初で、全国では京都府北部7市町に続き2例目となる。

 中枢都市圏の連携協定を結ぶ12市町村のうち、札幌、小樽、岩見沢、江別、恵庭、北広島、石狩の7市と当別、新篠津、南幌、長沼の4町村が参加。一員である千歳市は、2022年から先行して旅先納税を実施していることから、参加を見送った。

 ギフティ(東京)の旅先納税のシステムを採用し、北海道観光振興機構が管理運営などの事務局業務を担当する。

 旅行者は、11市町村の各所に貼り出されているPRポスターのQRコードをスマートフォンで読み取り、専用サイトにアクセスしてふるさと納税を行う。同市町村では、寄付額を1万円から300万円の範囲で設定しており、ふるさと納税を受けると即時に共通返礼品である寄付額の3割相当の電子商品券「さっぽろe旅ギフト」を発行して旅行者のスマートフオンに送る。

 電子商品券の「さっぽろe旅ギフト」は、11市町村内の登録された宿泊施設や飲食店などで利用できる。1日時点では206店舗が登録されており、さらに拡大を進めている。

 2月1日に概要発表の記者会見が行われ、中枢都市圏の代表である札幌市の天野周治副市長は「旅行者に周辺地域に足を延ばしてもらうきっかけになる。札幌圏の新しい魅力や体験を楽しむ周遊観光の活発化につなげたい」と述べ、観光振興機構の小金澤健司会長も「北海道観光にとって周遊化と滞在日数の向上は大きな課題で、新しい観光推進のモデルになると期待している」と強調。さらに「実績を検証しながら広げていきたい」と述べた。

「さっぽろ圏e旅ギフト」のポスター

 
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