ホテル葛城(愛媛県松山市道後温泉、大木正治社長)は20日、施設のリニューアルオープンと創業60周年記念の祝賀会を開いた。運営する「道後の宿葛城」と「花ゆづき」のうち、葛城の別館を改装。女性や外国人観光客、ファミリーを意識した室内にするとともに、非常食や防災用品を備蓄する「ストックルーム」を新設。日常と非日常のサービスの壁を取り払う「フェイズフリー」の考えを取り入れた。
地元の伝統工芸品、砥部焼の女性作家グループ「とべりて」とコラボし、ルームプレートなど砥部焼の作品を各部屋に展示。ベッドを配置した和室など、女性や外国人客の滞在を意識した造りにした。
4階に設置したストックルームには、葛城と花ゆづきの宿泊客が地震など災害発生後72時間滞在できるよう、非常食や水、燃料、救急用品を備蓄している。
館名は「ホテル葛城Spa Resort(スパリゾート)道後」に改称。葛城の本館は建て替えを行い、旅館「琴の庭」として来年秋をめどに開業する。
花ゆづきで行われた祝賀会には地元関係者、旅行業者、取引業者など160人が出席。大木社長は「新しい道後の形、旅館の形を追求したいとの思いを込めた。これからも地元に貢献するとともに、お客さまに安心安全を提供できる宿を目指したい」と述べた。