松山市道後温泉で4月10日から行われる芸術祭「道後オンセナート2014」の記者発表が5日、東京都内で行われ、主催する道後温泉本館改築120周年記念事業実行委員会がイベントの概要を説明した。道後温泉のシンボル道後温泉本館や、各温泉旅館に著名な芸術家らがアート作品を展示したり、客室をアート風に改装したりする。
「ホテルホリゾンタル」と題し、旅館10軒の客室、それぞれ1室ずつを有名芸術家らの手により改装。客室は見学のほか、実際に宿泊することもできる。ホテル古湧園は荒木経惟氏(写真家)、宝荘ホテルは草間彌生氏(芸術家)、道後舘は谷川俊太郎氏(詩人)が手掛けた。すでに一部で公開が始まっており、来年1月12日まで見学、宿泊できる。
また「オンセナートコレクション」と題し、道後温泉本館の外装と内装、温泉街の各地をアート作品化する。期間は12月31日まで。
事業は道後温泉本館の改築120周年記念事業として実施。「アートによる地域資源の再発見と発信」「街歩きの楽しさを創出する観光コンテンツの開発」を図る。
主催者から、松山市産業経済部の平野陽一郎・道後温泉活性化担当部長は「道後は歴史と文化、おもてなしのあふれる町だが、3千年の歴史で今回初めて芸術にスポットを当てた町となる。面白い仕掛けがいっぱいある。オンセナートを通して、今まで道後に関心のなかった人にもぜひ来てもらいたい」とあいさつ。
ホテルホリゾンタルに参画した宝荘ホテルの宮崎光彦社長=写真中央=は「世界的に活躍するアーチストに客室を手掛けていただけるとは、今まで想像もできなかったこと。その凄さを改めて実感している」と述べた。