ホテル葛城(大木正治社長)が運営する琴の庭(愛媛県道後温泉)はこのほど、林野庁が主催する「ウッドデザイン賞2021」を受賞した。100年後を見据えた木造の宿造りが評価された。
同賞は、木の良さや価値を再発見させる製品や取り組みなどを対象に、特に優れたものに贈られる。ホテル葛城が住友林業(東京都千代田区)設計、監修のもとで同館の工事を進め、一昨年4月に開業した。愛媛県の山系から切り出したヒノキとスギを中心とした国産木を館内随所に利用するなど、木材を最大限に活用している。年齢を重ねるごとに木材の色合いが美しく変化する「経年美化」の意識した設計が特徴的で、木材と道後への思いが詰まった設計や取り組みなどが評価され、同賞の「ハートフルデザイン部門」を受賞した。同館は、「館内各所から客室、露天風呂に至るまで、木のぬくもりを心地良く感じられる滞在空間がお客さまに好評を頂戴している。皆さまのご支援とご助力を賜り、ウッドデザイン賞を受賞できてとても光栄だ」と感謝の意を示し、「ぜひ多くの方にお越しいただき、当館ならではの木の温もりを感じてもらえたらうれしい」と述べている。
同館は、地元である松山市が取り組む、景観に調和した建築物のデザインに贈られる「まつやま景観賞」も受賞するなど、環境や地域に配慮した独自のデザインが各所から評価されている。
離れの外観
メゾネット「萌え黄」