郡山、松山が受賞 JNTO国際会議貢献賞


国際会議誘致・開催貢献賞の受賞者と関係者らが記念撮影

地方誘致・開催の成功事例に

 国際会議の誘致や開催の優れた取り組みを表彰する日本政府観光局(JNTO)の2023年度「国際会議誘致・開催貢献賞」の表彰式が15日、東京都内で開かれた国際MICEエキスポ(IME)の中で行われた。貢献賞の表彰は誘致の部で3件、開催の部で3件。例年、大型MICE施設が立地する東京、千葉、横浜、京都など大都市圏からの受賞が多いが、今回は地方都市の先進事例として松山市(愛媛県)、郡山市(福島県)を開催地とする取り組みも選ばれた。

 貢献賞は、08年度に始まり、16年目を迎えた。参加者数50人以上、参加者の国籍が日本を含めて3カ国以上で、22年4月~23年3月の期間に、誘致が決定または日本で開催された国際会議が対象。省庁、自治体、コンベンション団体などが推薦した国際会議を審査した。

 

■郡山市

 開催の部の受賞会議の一つが、郡山市で開催された「国際青年原子力会議2022」。日本では初開催。開催期間は22年11月26日~12月2日。41カ国・地域から外国人186人を含む300人が参加した。

 表彰式で主催団体、日本原子力学会若手連絡会の川合康太会長は「福島第一原子力発電所の事故から十数年たち、福島の元気な姿、たくましい姿、何より廃炉の現場を国内外に知ってもらいたかった。地域の皆さまに助けられて無事に開催できた」とあいさつした。

 当初、国際青年原子力会議は、ロシア国内で開催予定だったが、ウクライナ侵攻の影響で開催地が変更、日本が立候補した。開催が急きょ決まり、準備期間が短かったため、国際会議運営の大手専門会社などの支援が間に合わなかったが、地元の郡山コンベンションビューロー(CB)が全面的に支援した。

 郡山CBの主導で、ホテル、音響・映像会社などで構成するコンソーシアムを立ち上げ、地元企業が総力を挙げて会議運営に当たった。ユニークベニューとして、安達太良山を背景とする日本庭園、緑水苑を生かし、バーベキューイベントで地元の食や郷土芸能でおもてなし。エクスカーションでは、郡山の酒蔵などを案内した。

 郡山CBの霜鳥勉事務局次長兼誘致支援課長は「地方都市にも企業があり、人材がいる。不安がないわけではなかったが、地域の力を結集して開催を支援できた。今回のような国際会議の実績をつくれたことは地元にとって大きく、今後の国際会議、国内会議の誘致、開催にも生かしていきたい」と話した。

 

■松山市

 誘致の部の受賞会議の一つは、松山市で開催される第29回高圧力科学と技術に関する国際会議。主催者は国際高圧力学会、日本高圧力学会。開催期間は25年9月28日~10月3日の6日間。30カ国・地域から外国人200人を含む500人が参加予定。米国ラスベガスに競り勝って誘致を決めた。

 貢献賞の審査では、「強力な国内運営組織による誘致活動で、地方都市に誘致したことが評価された。地域に超高圧科学分野に関連した企業や研究拠点となる大学があり、松山市での開催意義が大きく、レガシー効果が期待できる点も評価された」という。

 第29回高圧力科学と技術に関する国際会議は、松山市の愛媛県民文化会館などを会場に会合が開かれるほか、学生や若手研究者を対象としたスクールなどの開催も検討されている。

 松山観光コンベンション協会の窪田勝彦事務局長は「松山市で開催される国際会議としては大規模で、誘致の成功、貢献賞の受賞は励みになる。エクスカーションやユニークベニューの準備を含めて開催を支援していきたい」と話している。

 

■先進事例共有

 表彰式でJNTOの蒲生篤実理事長は「今回受賞された誘致の部3件、開催の部3件の国際会議は、ハイブリッド開催のノウハウ、レガシー創出への寄与に加えて、地域に対する貢献、若手研究者の参加支援、ジェンダーバランスへの配慮などのSDGsへの対応なども高く評価された。ベスト・プラクティスとして国際会議に取り組む皆さまに知っていただき、今後さらに日本において国際会議の開催が活発化していくことの後押しとなることを願っている」とあいさつした。

 他の貢献賞受賞会議は次の通り。

 《誘致の部》2025年フォトニクス・電磁波工学研究に関するシンポジウム(25年11月、千葉市)▽第16回アジア・オセアニア耳鼻咽喉科・頭頸部外科会議(27年3月、京都市)

 《開催の部》第29回国際高血圧学会(22年10月、京都市、参加者数2638人)▽第22回国際栄養学会議(22年12月、東京都、参加者数3734人)

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