都内で「日中相互交流拡大の集い」、関係者ら約400人が参加


日中交流事業の成功を祈念した鏡開き

日中交流事業の成功を祈念した鏡開き

 日中国交正常化35周年の今年、両国の観光交流が今月下旬から本格化するのに合わせ、国土交通省、日本旅行業協会、全国旅行業協会は8日、「日中相互交流拡大の集い」を都内のホテルで開いた。冬柴鐵三国土交通・観光立国担当相、王毅・中華人民共和国駐日全権特命大使をはじめ、国会議員、観光業や運輸業の関係者ら約400人が出席、交流計画の成功に向けた協力態勢を再確認した。今回の交流では、官民さまざまな関係者が地方都市を相互訪問する計画で、日本からは約2万人が訪中、中国からは約1万人が訪日する。

 35周年を記念した交流事業として、日本からは、直行便が就航している19都市へ合計約2万人が訪中する予定。すでに約1万7千人が訪中を具体的に計画済み。団体や自治体の交流訪問、旅行会社のツアーなど訪中団の形態はさまざまだが、今月下旬から9月にかけて渡航が本格化する。

 中国からは、直行便が就航する17都市や友好関係にある都市に合計約1万人が訪日する。時期は未定だが、10月の「国慶節」以降となる見込み。

 交流拡大の集いには、「日中関係を発展させる議員の会」の国会議員らが多数出席。同会会長の森喜朗・元首相、二階俊博・自民党国会対策委員長、太田昭宏・公明党代表らが駆けつけた。日中文化・スポーツ交流年実行委員会委員長の御手洗冨士夫・日本経団連会長、旅行会社や航空会社のトップも参加。9月に北京でチャリティコンサートを開く日本ユニセフ協会大使のアグネス・チャンさんも出席した。

 冬柴大臣は「この集いを契機に交流の意義、関係者の決意を再確認し、一層の努力で35周年の交流計画を成功させてほしい。日中両国は政治、経済ともに密接な関係にあるが、草の根交流が非常に大切だ」とあいさつ。日本で世界陸上や世界華商大会、中国で北京五輪、上海万博などの大型イベントが控える中で、関西国際空港第2滑走路の供用開始と、10月8日の開設を目指している羽田—虹橋(上海)間のチャーター便就航を「今後の日中交流を加速させる要因」に挙げた。

 安倍晋三首相からのメッセージは下村博文・内閣官房副長官が「この交流計画は地方交流、国民交流を直接的に推進する事業として重要だ。交流を通じた相互理解、相互信頼の増進こそがアジア、世界に貢献する日中の戦略的互恵関係の基盤となると確信する。政府も円滑な実現を支援していきたい」と代読した。

 中国の王大使は「今回の交流計画は、日中交流史の大きな1ページとなる。中国からの旅行団は、日本の半分の1万人だが、中国の海外旅行者数は年間3400万人、日本の査証手続きの緩和などが進めば、訪日旅行者はまだまだ増える潜在能力を秘めている。今回の事業をきっかけに日中両国民の大交流の時代をつくろう」と語った。

 日中の交流人口は、06年で訪中日本人が375万人、訪日中国人が81万人。今年は日本人の訪中を400万人、中国人の訪日を100万人、合計500万人以上とする目標で両国首脳が合意している。

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