金沢大学と立教大学、協定締結式を加賀屋で開催


協定締結式の様子

観光分野の教育推進、人材育成図る

 国立大学法人金沢大学(金沢市)と立教大学(東京都豊島区)は3月29日、連携と協力に関する協定締結式を加賀屋(石川県和倉温泉)で共催した。両大学の連携を生かし、観光分野の教育、研究をより深め、同分野での中核人材の育成を図る。

 金沢大学は2018年4月に人間社会学地域創造学類に「観光学・文化継承コース」を設置し、22年には融合学域に観光デザイン学類(仮称)を設置する予定。二つの学域にまたがり、人文、社会科学のみならず科学技術の分野融合の知見を基盤に、地域をデザインしブランディングできる人材育成に取り組む方針を示している。立教大学は1998年に日本初となる観光学部を設置。46年に「ホテル講座」を開講して以降、70年以上にわたる観光教育の歴史を有する。ビジネス、地域社会、文化現象の三つの視点から観光を探求し、観光業を支える多くの人材を輩出してきた。加賀屋の支援のもとで両大学が連携し、互いの資源を活用しながら観光を中心とする学術研究、教育、人材育成を推進する。

 立教大学の郭洋春学長は「観光産業は21世紀の日本の推進力になりうる存在。本学は長年にわたり観光業界に人材を輩出し、全国各地の状況に精通するスタッフを有している。本学が観光分野で蓄積してきたものを一つにまとめ、金沢大学さんと大きなムーブメントをつくりたい」と、両者の連携による展望を語った。金沢大学の山崎光悦学長は「本学は『地域と世界に開かれた教育重視の研究大学』をビジョンに掲げ、既設、新設予定の学類を通し、地域と世界に視野を向けられるグローバル人材の育成に注力する。立教大学さんの資源と本学の強みを融合、発展させ、観光関連のみならず、学術、研究交流の進展に取り組みたい」と述べ、連携を基盤に観光を含む幅広い分野の研究を進めたいとの考えを伝えた。

 立教大学出身で加賀屋の小田禎彦相談役は「私が大学入学時、観光は物見遊山、遊興的な位置付けだった。そんな中、立教大学は先見性をもって観光を学問に据え、宿泊施設への就業体験を含め、宿泊業に関する学習機会を大いに与えてくれた。Go Toトラベル事業で大きな予算が付いたことからも、観光を取り巻く環境が変わり、観光が地方経済にとって重要な産業だという認識が広がりつつある」と述べ、両者の連携が観光産業のさらなる発展に寄与するだろうと期待を寄せた。

協定締結式の様子

 
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