鉄旅オブザイヤー、グランプリにクラブツーリズム


記念撮影に応じる受賞者ら=7日、鉄道博物館で

 優れた鉄道旅行商品を決め、表彰する催しが7日、さいたま市の鉄道博物館で開かれ、クラブツーリズム(クラツー)の商品が栄えあるグランプリを獲得した。同社はDC賞も受賞し、造成力の強さを見せつけた。グランプリとなった商品は、通常乗ることができない貨物線に乗るという特別感が高く評価され、審査員からは「文句なしの1位」という言葉も飛び出した。

 この催しは「鉄旅オブザイヤー」(実行委員長・髙橋広行JTB社長)。旅行会社が造成する鉄道旅行商品の企画力やクオリティーを競うもので、今回で7回目となる。応募総数は114件に上った。

 実行委による1次審査を通過した18件について、外部審査員(委員長、芦原伸・旅と鉄道統括編集長)が2次審査を行い、グランプリ、準グランプリ、審査委員特別賞、DC賞、ルーキー賞、ベストアマチュア賞などの受賞を決めた。

 グランプリを受賞したクラツーの商品名は「通常は運行していない貨物線も走行!~お座敷列車『宴』利用 東京・神奈川・千葉の1都2県貸し切り列車でぐるり周遊・日帰りの旅」。

 お座敷列車で貨物専用線の新金貨物線や常磐貨物線などに乗り入れる特別感や、りんかい線から京葉線、横須賀線から根岸線をつなぐ、「鉄道ファンには垂涎のルート」(クラツー)を走ることなどが注目を浴び、計4回のツアーで570人の集客実績を上げたという。旅行代金は大人1人2万2千円。

 審査員の豊岡真澄さん(元祖鉄道アイドル)は「お座敷列車だけでもすごいのに、そこに貨物線を掛け合わせてダブルで楽しめるなんてスペシャルすぎて文句なしの1位」、大塚圭一さん(共同通信社経済部次長)は「キャンセル待ちが600人発生し、首都圏の運行だけで1300万円を売り上げたのはホームラン級の成功。これこそプロの仕事」と絶賛する。

 DC賞は「中国鉄道コンチェルト第5楽章 山口DC特別企画~“篠目の奇跡”の目撃者となる。懐かしき客レでめぐる西日本セレナーデ~3日間」で、個人では難しい組み合わせを実現したのが評価された。

 準グランプリは、読売旅行の「出発進行!読売旅行貸切 銚子電鉄七夕列車と銚子・夏のおもてなし」。千葉県の銚子や銚子電鉄を盛り上げる企画で、自社マーケットの告知のみにも関わらず、約1500人の集客があったという。

 このほか、審査委員特別賞は日本旅行の「赤い風船45周年 JR東日本×JR西日本×日本旅行共同企画 団体貸切!北陸新幹線で行くJapanese Beauty Hokuriku~日本の美は北陸にあり~」、ルーキー賞は京王観光の「サンライズ出雲で行く 懐かしの京王線車両を訪ねる 奥出雲の旅 一畑電車・絶景おろち号・廃線間近 三江線と世界遺産石見銀山4日間」が受賞した。

 
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