長崎県と県観光連盟は、04年から同県内の旅館・ホテルに対して認定を行っていた「長崎おもてなしの宿」について、今年度から新たに再評価事業を始めた。おもてなしの宿に認定された81軒と、認定を受けてはいないが、独自に顧客満足(CS)対策を行うCS意識の高い施設が対象。モニターによる覆面調査などから評価を行い、CSレベルの向上と維持を図る。
長崎おもてなしの宿推奨事業は04年にスタート。認定には経営者と従業員の代表者が7回の研修を受けるほか、宿泊者へのアンケート調査などから総合的に評価を受ける必要がある。04年度に21軒、05年に42軒、06年に18軒の計81軒が認定を受けている。
今年度開始する再評価事業は、これまでに認定を受けた81施設のCSレベルを見直すもの。認定を受けていないがCS対策を独自に行い、ある程度以上の水準に至っていると考えられる施設の評価、認定も行う。
再評価事業の開始にあたっては、6月中に5カ所で事業説明会が開催された。7月からはアンケート調査とそれに基づく施設側の改善策の実施、県が募集したモニター調査員による覆面調査などが行われ、09年3月に改めて認定施設が発表される予定だ。
今年度の再評価事業に先立ち、県は昨年、実験的にはがきタイプのアンケート用紙の配布と覆面調査を行った。アンケート調査では、回答者の中から100人に長崎県認定の水産物加工品「長崎俵物」をプレゼントするといった回答率向上策を講じたことで、「2万枚作成したアンケートのうち、約2600枚の回答があった」(同県)。
「『おもてなしの宿』推奨事業の意義は、今回の再評価事業で示されるお客さまの生の声と、それをもとに各施設がCS対応に磨きをかけるところにある。再評価事業が始まったこの1年が本当の意味での事業開始だ。県内の宿泊施設のCSを高いレベルで維持することにつながれば」と県観光振興推進本部の木塚厚志氏は話す。
認定施設に対しては現在、認定盾が贈られるほか、(1)県と観光連盟が共同運営するホームページ内での優先PR(2)観光連盟の対外セールスでの優先PR(3)観光連盟企画ツアーでの優先利用(4)地域が作成した旅行企画プランなどの、県によるPR──などの各種優先的支援を行なっているほか、観光連盟が認定施設を紹介するパンフレットを作り配布している。
「長崎おもてなしの宿」の盾