戸倉上山田温泉旅館組合連合会(長野県千曲市、宮川光男代表)は2月26日、東京・永田町の星陵会館で報道関係者を集めた懇談会を開いた。旅行志向の変化などで温泉地への入り込みが減少傾向にある中、地域の素材を活用した着地型体験観光プログラムの商品化や、温泉街のにぎわい創生事業を進め、誘客に努めている現状を説明。「チェンジする戸倉上山田温泉に皆さまの支援を」と呼び掛けた。
文化、伝統、食、健康などを題材にした、同地ならではの13の体験観光プログラムを商品化し、販売している。「全国の夜景百選」に選ばれた姨捨(おばすて)の夜景を見に行くツアーや、芸妓が観光ガイドを務める温泉地のそぞろ歩き、温泉まんじゅうを揚げて食べる地元ならではの食文化を体験するプログラムなどを設定している。
このほか、タクシードライバーが温泉地周辺の観光ガイドを務める「語り部タクシー」を制度化。温泉街の活性化へ、裏小路の再開発や足湯の開設、旅館が月替わりでロビーに芸術作品を展示する「1宿1ギャラリー」、商店と飲食店がオリジナル商品を開発する「おらんちの逸品」などの事業に取り組んでいる。
同温泉は善光寺参りの参拝客や団体観光客などで古くからにぎわい、昭和30〜40年代は年間160万人の入湯客があったが、現在は75万人程度まで落ち込んでいる。個人化など、現代の旅行志向に対応するため、旅館組合員らが再生事業推進組織「カラコロにぎわい協議会」を発足。行政の補助を受け、ハードとソフトの整備を進めている。
同温泉のキャラバンは同日、東京の観光経済新聞社も訪問。一連の事業を説明した。
懇談会