長野県は1日、外国人観光客との円滑な会話をサポートするため、無料の電話通訳サービスの提供を始めた。県内の宿泊施設や飲食店、小売店、交通機関などをはじめ、県民誰でも利用できる。国土交通省北陸信越運輸局が実施する訪日外国人の受け入れ環境整備に向けた実証事業を活用したサービスで、来年3月30日まで実施する。
名称は「NAGANO多言語コールセンター」。英語、中国語、韓国語、タイ語、インドネシア語と、日本語との間の通訳サービスを提供する。24時間、無休で受け付ける。通話料、通訳料はかからない。
例えば、外国人観光客が目の前にいるが、「何を言っているのか分からない」「商品・サービスを説明したい」「道順を教えたい」などの際にコールセンターに電話すれば、通訳してもらえる。
また、旅館・ホテルなどが、海外にいる外国人に「宿泊予約の確認、説明がしたい」「忘れ物について連絡したい」などの場合にも、コールセンターに電話すれば、通話、通訳を依頼できる。この場合も国内の利用者側には、国際電話の通話料の負担はない。
コールセンターの利用が想定される観光事業者は、事前に施設名や住所、発信する電話番号などを登録しておくと、円滑にサービスが受けられる。
訪日外国人旅行者に対しても、県内の観光案内所などにポスターやリーフレットを設置して、コールセンターの利用について案内する。
インバウンドの受け入れ環境の整備に向けた国の実証事業で、利用者にはアンケート調査などを行い、今後のコールセンターの設置、運営などに関する検討に生かす。
コールセンターの番号は、TEL0120(691)792。事業に関する問い合わせは長野県観光部観光誘客課国際観光推進室TEL026(235)7248。
観光庁の宿泊旅行統計調査によると、長野県の2016年の宿泊施設の外国人延べ宿泊者数は、前年比19・8%増の113万4940人泊だった。都道府県別では全国で12番目。国・地域別の構成比は、最多の台湾が34%、以下は中国13%、香港10%、豪州9%、タイ5%など。