コロナ禍で「信州の観光はお休み中」
長野県は新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、観光による人の移動を抑制する方針だ。(1)観光や宿泊施設などに対して休業を検討するよう協力の要請(2)県有施設や市町村有施設の休業(3)「信州の観光はお休み中」キャンペーンの実施―が柱で、キャンペーンについては、4月25日から県内各地で観光旅行の自粛を呼び掛ける啓発運動を始めた。
県は4月21日、コロナウイルスの対策本部会議を開き、クラスター(感染者集団)が発生する恐れがある施設や県外から人を呼び込む施設に対し、23日から5月6日まで休業を要請することを決めた。
休業依頼に応じた観光・宿泊施設などには「支援金」を、また改正特別措置法に基づく休業要請に応じたり、営業時間を短縮したりする事業者には感染予防に対する「協力金」を支給する。いずれも1事業者当たり30万円で、県が20万円、事業者が主な事業所を置く市町村が10万円を支給。
宿泊施設の経営者は「本来なら事業を継続したいが、仮に感染者を出すと今後の営業に支障が出てくる」と判断、要請に従うことを決めた。
阿部守一知事は21日の会見で、「(支援金と協力金は)必ずしも十分な金額ではないが、事業者に積極的に協力していただき、危機を乗り越えていきたい」と理解を求めた。
お休み中キャンペーンでは、主要インターチェンジ(IC)や道の駅で県外来訪者に対してプラカードによる啓発活動や流入量調査を25日から5月6日まで実施する。ICは佐久、東部湯の丸、諏訪、駒ケ根など8カ所が対象。
また、JRの長野、軽井沢、上田、松本、飯山などの駅でメッセージポスターを掲出、不要不急の外出自粛を要請する。さらに、旧軽井沢銀座や上田城、諏訪市湖畔公園、松本城、善光寺、道の駅信州平谷などでは地元と協力して巡回を実施する。
県は「県外からの来県者に啓発を行うことで、来県後の慎重かつ適切な行動を促す」(観光部)と話している。
お休み中キャンペーンのポスター(イメージ)