中小企業庁と金融庁は2023年度内に、中小企業などの再生支援に関する総合的対策を取りまとめる。西村康稔経産相が11月6日、「挑戦する中小企業の経営改善・再生支援強化会議」で明らかにした。同会議に出席した金融業界団体や中小企業団体などによる要望を踏まえて検討していく。
会議体は、中企庁が8月に公表した「挑戦する中小企業応援パッケージ」で設置が明記されていた。中小企業基盤整備機構や全国信用保証協会連合会、全国銀行協会などの関係機関が出席し、両庁幹部らに再生支援に関する決意や要望を伝えた。【記事提供:ニッキン】
信保協連合会は、22年9月に全国の信保協が中小企業活性化協議会と連携協定を結んだことを踏まえ、「金融機関の協力を得て早期に案件をつなぐなど、再生支援の強化を図りたい」と強調した。
全銀協は、早期の経営改善や事業再生の必要性を踏まえ、出席した関係機関からも事業者側に周知するよう求めた。中企庁は、今回の要望を総合対策に反映させる見通し。
同パッケージは、実質無利子・無担保融資の返済が本格化するなか、中小企業の資金繰り支援策や経営改善・再生支援策を示したもの。資金繰り支援では、100%保証である「セーフティネット保証4号」の借換目的での利用期間延長や、日本政策金融公庫が提供する資本性劣後ローンの限度額引き上げが中心となっている。
経営改善・再生支援では、24年2月から「早期経営改善計画策定支援事業(通称=ポスコロ事業)」の認定支援機関として、民間金融機関が条件付きで事業者の計画策定をサポートできるようにする。須藤治・中企庁長官は「早期の経営改善支援を促進していけるよう着実に準備を進めていく」と話した。
会議冒頭に挨拶する西村経産相(中央、11月6日、経産省)
【記事提供:ニッキン】