阪神甲子園球場(兵庫県西宮市)は、2024年8月1日に開場100周年を迎えるのに際し、1日から100周年記念事業を開始した。同日には発表会を開催し、同球場ではイメージ画像や記念動画の公開、甲子園駅(同)では記念ラッピングトレインの出発式を行った。
今回の事業のコンセプトは「KOSHIEN CLASSIC~感謝を、伝統を、次の100年へ~」。これまで同スタジアムを支えた選手やファンなど関係者への感謝を示すとともに、「次の100年」を見据え、環境保全をはじめ次代の価値観や社会要請に応え、率先して取り組む「日本が世界に誇れる聖地」を目指すもの。1日の発表会では、甲子園にゆかりのある野球マンガ「ドカベン」「巨人の星」「タッチ」など9作品のキャラクターが集合した記念イメージ画像やマンガコラボムービー、同球場でこれまで繰り広げられた名シーンを盛り込んだイメージ動画を公開した。
発表会には「元祖甲子園のアイドル」として活躍した太田幸司さんが出席。3度甲子園の出場経験がある太田さんは「甲子園は夢のまた夢の場所。準優勝した時のあの思いは今でも忘れられない」と当時を振り返った。これからの甲子園について、「甲子園は選手たちの目標であるだけでなく、家族、地元の方々、高校野球ファンの思いが凝縮された場所。いろいろな思いを受け継いで時代と共につなげていってほしい」と呼び掛けた。
今後はファンとともに甲子園を振り返る企画、少年野球の全国大会のファイナルラウンドの開催などを予定している。
甲子園駅では、車内外を野球マンガのキャラクターや甲子園の歴史をたどる写真で彩った100周年記念ラッピングトレインを披露した。阪神電気鉄道の谷本修本部長は、「人々の中にある甲子園球場の記憶や思い出を呼び起こしていただきたい」との思いを語り、「『巨人の星』に関しては、阪神電車なので、巨人の星飛雄馬よりも、阪神の花形満を少しだけ大きく描いてもらった」との裏話を明かした。
同事業は24年12月ごろまで開催予定。特設サイトでは、甲子園の歴史を振り返る年表やスタジアムにまつわるエピソードを掲載するほか、マンガコラボムービーを放映する。
ラッピングトレイン出発式テープカットの様子
事業発表会で投球フォームを披露する太田幸司さん