東京オリンピック・パラリンピック(オリパラ)の開催を控え、観光庁は16日、障害、宗教、生活習慣など多様な背景を持つ全ての訪日外国人が旅行を楽しめる環境づくりを目指す「Team Welcome」プロジェクトを開始した。宿泊・飲食・小売分野の各事業者に改善への取り組みを促す。店頭には指定のステッカーの掲示を呼び掛け、訪日外国人旅行者に安心して利用できる店舗であることをPRしてもらう。
同日、東京都内で開かれたキックオフイベントで、赤羽一嘉国土交通相は「オリパラのレガシーとして、ユニバーサルデザインの社会、共生社会を実現しなければならない。Team Welcomeをその実現に寄与する取り組みにしたい」とあいさつ。観光庁の田端浩長官も「ストレスフリーで快適な旅行環境づくりが重要。事業者の皆さまにはプロジェクトを改善のきっかけにしてほしい」と述べた。
Team Welcomeプロジェクトでは、公式サイト(https://teamwelcome.jp)を開設した。事業者が店頭に掲示するピクトグラム(絵文字)ステッカーの利用申請、ダウンロードが可能。多言語コミュニケーション、バリアフリー、多様な宗教・生活習慣に関する受け入れ環境の改善では、「今からでも間に合う」「ちょっとした工夫でできる」を合言葉に具体的な手法や事例も掲載している。
キックオフイベントでは、日本観光振興協会の久保田穣副理事長をコーディネーターに、受け入れ環境の改善をテーマとしたパネルディスカッションが行われた。
障害を持つ訪日外国人のための環境改善では、訪日旅行のバリアフリー英語情報サイトを運営するACCESSIBLE JAPANのグリズデイル・バリー・ジョシュア代表と、訪日旅行のバリアフリー情報を多言語のアプリで提供するWheeLogの織田友理子代表が、まずは店舗や施設について未対応の部分を含めたバリアフリーに関する情報の発信が重要とアドバイスした。
「Team Welcome」のキックオフイベント