集客順調「砂の美術館」、海外も注目


大きい砂像は幅20メートル、高さ4メートルもある(写真は第5期の作品)

大きい砂像は幅20メートル、高さ4メートルもある(写真は第5期の作品)

 オープン6年目を迎える「砂の美術館」の集客が順調だ。鳥取市が砂の彫刻「砂像」で広く街をアピールしようと、「砂像のまち鳥取市」の中核施設として鳥取砂丘のそばに2006年に開設した。砂像を専門に展示する美術館は世界で唯一。今年4月には、屋内施設を整備してリニューアルオープンした。

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 「日本にいながら世界旅行をした気分に」というコンセプトのもと作品を制作、展示してきた砂の美術館。1年周期でテーマを変え、今年の4月から始まった第5期は、夏のロンドンオリンピックにちなんで、テーマを「イギリス」とした。ウェストミンスター宮殿やウィンザー城といった歴史的建造物や、エリザベス1世などを題材にした16点の砂像が展示されている。

 砂の美術館は2006年に鳥取砂丘の一角に野外美術館として誕生した。

 第1期は1カ月半の展示だったが、砂ゆえに雨や風で崩れてしまうことが少なくなかった。08年の第2期からは大型テントを設営。4カ月強の開催で約30万人を集客した。

 第3期くらいから、芸術性の高さが海外のメディアでも注目されるようになり、アジアはもとより欧米からも来館者がやってくるようになった。第5期を迎えて屋内展示施設を整備した。第5期の来場者数は、4月から9月末までで35万人、今期が終了する来年1月6日までの目標は50万人だ。

 今期の彫刻には、10カ国から15人の専門家を召集した。砂像彫刻家にとっても、世界で唯一の専門美術館で作品を制作することは名誉なことだという。

 砂の美術館の砂像は、凝固剤などは一切使用せず、砂を水で固めただけの固まりを彫る。展示期間が終わると、作品は崩され、また次の作品に作り変えられる。今期の作品に使った砂と水は各2500トン。鳥取砂丘一帯の砂は黄色いのが特徴で、ライトアップすると黄金色に輝く。雪像と違い、陰影がはっきり出るのも特徴だ。

 12月12〜24日は、クリスマス特別企画として、館内を光と音楽で演出する。鳥取市観光コンベンション推進課の筒井真二さんは「鳥取砂丘のクリスマスイルミネーションは、毎年好評を博している。今年から砂の美術館もライティングをするので、ぜひ合わせて世界トップクラスの砂像もご覧いただきたい。冬の味覚、松葉ガニも食べてほしい」と語る。

 来年、第6期のテーマは「東南アジア」に決定した。日本・ASEAN交流40周年を記念して、東南アジアの歴史的建造物などを砂像で表現する。美術館は東南アジアにまつわる各種イベントも実施する予定だ。

大きい砂像は幅20メートル、高さ4メートルもある(写真は第5期の作品)
 
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