近場観光に威力発揮 提供者は安全確保に力を
電動アシスト自転車や電動キックボードなどを近場観光の“足”として利用する観光客が増えている。電動アシスト自転車は坂道に威力を発揮し、脚力の弱いシニアや女性に人気で、電動キックボードは若者を中心に利用者が増えている。一方で、電動キックボードのように事故リスクが高い乗り物もあるだけにどう安全性を確保するか。普及に伴い、提供者側の意識、姿勢がより重要になってくる。
大雪山ツアーズが運営する層雲峡観光案内所(北海道上川町)は、観光客への案内のほか、電動アシスト自転車や電動キックボード、電動バイク(スクーター)の貸出事業も行っている。
層雲峡温泉は坂道が多いため、観光客の負担を軽減し、手軽に巡ってもらおうと導入した。現在、電動アシスト自転車は10台、電動キックボード4台、電動バイク2台を保有している。
電動キックボードの場合、料金はヘルメット付きで1時間千円、1日5千円。利用するには原付免許が必要だ。操作もそれほど難しくはなく、数分も運転すればスムーズに乗れるという。事故防止の観点から、国道での走行は自粛するよう呼び掛けている。
電動キックボードは、現行法では原動機付き自転車に分類され、国の実証実験として各地で行われている貸出事業で特例措置が認められているが、7月以降は特例措置が終わり、新ルールに統一される。運転免許がいらず、ヘルメットも努力義務となり、垣根も低くなることから、同案内所では外国人客にも利用を呼び掛けていく考えだ。
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