帝国データバンクはこのほど、電気料金に対する企業の意識調査を行った。電気料金の値上げについて、自社の業績に悪影響を及ぼすとする企業が全体の約6割に達したほか、4割強が値上げ分を価格に全く転嫁しない方針を打ち出している。
値上げで「かなり悪影響」「悪影響」「やや悪影響」とする企業の合計が全体の59.8%と、約6割を占めた。業種別では農・林・水産の78.0%、製造の77.0%、小売の65.2%、運輸・倉庫の60.5%が高い率を示している。半面、サービスは49.8%と半数以下にとどまる。
「かなり好影響」「好影響」「やや好影響」とする企業の合計は1.7%あった。「省エネビジネスには電気料金のアップは好材料」(建材・家具卸売)、「太陽光発電設備など、自然エネルギー関係の需要が増加する」(建設)などの声があがっている。
このほか「影響はない」は21.4%、「分からない」は13.8%だった。
業績に影響があると回答した企業に対策を聞いたところ(複数回答)、「既存設備での節電を実施」が67.4%と最も多かった。以下、「設備や照明などを省エネ型に更新」(40.8%)、「人件費以外のコスト削減」(29.3%)など。
電気料金が値上げされた際、値上げ分を自社の商品・サービスの価格にどの程度転嫁するか聞いたところ、「全く転嫁しない」が46.1%と、最も多かった。半面、「ほぼ全額転嫁する」は2.4%にとどまり、多くの企業でコストアップを自社で吸収する予定であることが分かった。
調査は4月17〜30日、全国企業2万2755社に行い、このうち1万244社から有効回答を得た。