静岡県東伊豆町の稲取温泉で「雛のつるし飾りまつり」が1月20日に開幕する。主催は稲取温泉旅館協同組合。地域の伝統的な風習を今に伝えるイベントで18回目を迎える。「文化公園雛の館」などにつるし飾りを展示するほか、神社の階段を使った雛段飾り、イルミネーションイベント、スタンプラリーなどを行う。期間は3月31日まで。
つるし飾りは、メーン会場の文化公園雛の館に約1万1千個、雛の館「むかい庵」に約7700個を展示するほか、旅館、一般住宅などにも飾られる。町内各地ではつるし飾りの製作体験もできる。
稲取の街と海を見下ろす場所にある素盞嗚神社の階段には雛段飾りを展示。期間は3月3日〜3月13日。個人宅に仕舞い込まれた雛人形を譲り受け、100段の階段に並べる。昨年初めて実施した企画で来場者に好評だったため、今年も開催する。
文化公園をLEDのイルミネーションで彩るイベントは、まつりの期間を通して開催。文化公園、むかい庵、素盞嗚神社のうち2カ所を巡ってスタンプを押した旅行者に抽選で宿泊券や特産品を贈るスタンプラリーを初めて実施する。
雛の館への入場や飲食にお得なチケットも販売する。雛の館入館券と、飲食店での食事や旅館での日帰り入浴がセットになったチケットで、最大1500円相当になるところを千円で利用できる。
同組合では「雛のつるし飾りは、近年、全国各地に広まっているが、稲取温泉の雛のつるし飾りは、少なくとも江戸時代から、母から娘へと受け継がれてきた伝統的なもの。ぜひオリジナルを稲取温泉に見に来てもらいたい」とアピールしている。
稲取温泉の雛のつるし飾りは、娘の成長を願って祖母や母が端布で作った飾りを竹ヒゴの輪から赤いヒモでつるす。つるす飾りにはさまざまな種類があり、サルの飾りには「難が去る」といったようにそれぞれに願い事が込められている。
稲取温泉に受け継がれている雛のつるし飾り