風待ちの湯 福寿荘(三重県渡鹿野島)は10月13日、同島の施設としては初めて修学旅行生を受け入れた。的矢湾の眺望をはじめ、志摩の豊富な自然を感じられる滞在を生徒たちに提供した。
渡鹿野島は日本神話のイザナギノミコト、イザナミノミコトによる国生み物語でも知られ、江戸時代には風待ちの島として栄えてきた。客室数63室を有する同館は、個人客に加え団体客の受け入れにも実績があり、同島の魅力を発信し、新たな顧客を取り込むため修学旅行生を受け入れた。「船で島に渡る経験が初めての生徒も多かったようで、島に降り立つ瞬間はみんな楽しそうな様子だった」と同館の城山義久氏は振り返る。付近に位置する志摩自然学校での自然体験など、志摩市の自然に触れるプランを造成できるのが同エリアの強みの一つとなっている。ナガシマスパーランド(桑名市)を行程に取り込む学校もあるなど、学校ごとに多様なプランを造成している。
今月4日までですでに大阪府や愛知県の小・中学校、高校の計6校、600人超を受け入れ、以降も年末まで広島県や静岡県、福岡県の学校の受け入れを予定している。今後について城山氏は、「自然を生かしたアクティビティはもちろん、SDGsを見据えた対策、省エネやゼロカーボンに貢献できる館内整備などに注力している。志摩の自然を感じられる当館で、生徒たちの環境に対する理解や認識がより深くなるような機会を提供したい」と話す。団体受け入れの実績とノウハウ、施設のスケールメリット、地元・志摩の歴史や自然を生かし、来年以降も積極的に各地からの修旅を受け入れていく方針だ。
福寿荘