一般社団法人ロケツーリズム協議会は11月17日、東京都内のホテルで、ロケ誘致を目指す首長らが映像制作者に地域を売り込むマッチング大会を開いた。ロケ地となることで観光資源の活用や地域振興に弾みが付くとあって協議会の活動に期待する自治体も多く、マッチングは熱を帯びた。
映画やドラマ、CMなどのロケ地になることで知名度がアップ、観光客が足を運ぶきっかけになる。
映画の場合、撮影から公開されるまでの期間が長く、即効性は小さいものの永続的に作品が残るため、長きにわたっての効果があるとされる。また、ドラマは根強いファンやシリーズ化される場合、持久力があり、3カ月間は話題性を維持できるといわれる。
大会には220人が参加。うち、首長は11人、制作者は45人だった。首長によるロケツーリズムの事例発表によると、NHK連続テレビ小説「あまちゃん」のロケ地となった岩手県久慈市は、来年、放送から10年がたつことから、遠藤譲一市長は「根強い人気があり、何か仕掛けていきたい」と意欲を示した。
映画「さかなのこ」(のんさん主演、9月1日全国ロードショー)のロケ地の一つ、神奈川県綾瀬市。市が作った「さかなのこTシャツ」を着て登場した古塩政由市長によると、市役所でのパネル展には10日間で2千人が来場した。「『ロケ地で楽しめるまちあやせ市』をアピールし、地域活性化を目指す」と述べた。
長崎県島原市は昨年4月、ロケ誘致の専門組織「ロケツーリズム班」、千葉県旭市は今年7月、「あさひロケーションサービス協議会」を設立するなど、受け入れ態勢の充実を図る自治体も増えている。
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