全国旅行業協会(ANTA、二階俊博会長)は14日、高知県高知市で第13回「国内観光活性化フォーラムinこうち」を開催した。全国から会員旅行会社をはじめ都道府県観光関係担当者、受け入れ機関など1200人が参加。開催を契機として、2018年度に高知県へ3万人を送客するキャンペーンの展開を決めた。5600社の会員ネットワークを生かして高知観光を盛り上げる。
国内観光活性化フォーラムは、国内観光の活性化と着地型旅行の推進を目指して毎年開催。高知県は、「豊かな自然、恵まれた食、土佐が生んだ偉人ゆかりの地など、歴史と文化を生かして着地型観光の推進に熱心に取り組んでいる」(ANTA)。送客キャンペーンの実施で、国内観光交流活性化のモデルケースとして、高知県や関係市町村と連携しながら高知県の魅力を全国に発信する。4月から12月まで展開。
フォーラムで二階会長は、「観光は国民一人一人の人生を豊かなものにするのみならず、地域の経済の活性化をもたらし、さらには国際相互理解を推進して、世界平和にも大きく貢献する」と述べ、高知県をはじめとする全国各地の観光振興と地域経済活性化に結び付く取り組みを引き続き強力に進める考えを示した。
基調講演では観光庁の田村明比古長官が観光の現状と国内観光の活性化について語った。
続いて記念講演で高知県の尾﨑正直知事が「高知県は人が減っても拡大する経済を展開しつつある。その中で最も伸びが大きいのが観光分野だ」と観光が県の経済全体を引っ張っていると説明。高知の観光は歴史と食、自然の三つが強みであるとして、食に関しては「地元ならではのおいしい食べ物が多かったランキングで、2017年に高知県は全国1位だ。カツオのたたき、清水さば、金目鯛、赤牛など多様な食べ物がある」と来場者にアピールした。
フォーラムではまた、昨年3月の石川フォーラム開催を契機に石川へ3万人以上の送客を目指して実施したキャンペーンで、送客数が6万3千人に達したことを報告。送客数の多かった、ビーエス(秋田県)を最優秀会員、福島ビーエス観光(福島県)を優秀会員、福島観光自動車(福島県)と北日本ビーエス観光(青森県)を準優秀会員として表彰した。株式会社全旅が主催する「学生がつくる高知県の着地型旅行プランコンテスト」の表彰式も実施された。
次回は来年2月15日に福島県(郡山市)で開催する。開催地引継式で四国地方支部長連絡会の山中盛世議長から、東北地方支部長連絡会の髙橋幸司議長へ大会旗が渡された。次回開催地から福島県支部の紺野平支部長があいさつし、「福島で待っています。こらっせ!」と来場を呼び掛けた。